こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
健康診断で「中性脂肪が高い」と言われると、「油っこいものの摂り過ぎかなぁ」「脂質を減らさなきゃ」「コレステロールを抑えよう」などと思うかもしれません。
中性脂肪という名前が付くことから、油・脂質というイメージをもつ方は多いようです。
しかし実は、中性脂肪を上げる原因の多くは糖質やアルコールの摂り過ぎということをご存知でしたか?
この記事では、中性脂肪を上げる原因、中性脂肪を下げるための食事方法について紹介したいと思います。
中性脂肪を上げる原因
食べ物や飲み物に含まれる「糖質」は、エネルギーとして消費しきれずに余ると、体の中で中性脂肪に作り変えられます。
つまり中性脂肪を一言で表すと、【糖質がエネルギー源として貯蔵用に変化した脂肪】。
中性脂肪が高いと聞いた時には、まず、糖質の摂り過ぎ、食べ過ぎによるエネルギー過剰が疑われます。
また、お酒に含まれるアルコールにも中性脂肪を高める作用があります。
お酒を毎晩飲んでいる、一度の飲酒量が多い、飲み会の頻度が高い、といった方は中性脂肪が高くなる傾向があります。
中性脂肪を下げるための食事のポイント
中性脂肪を下げるためには、脂質よりも、糖質やアルコールの摂取量を減らすことが重要です。
ここでは、中性脂肪を下げるための食事のポイントをご紹介します。
食べ過ぎを予防する
動いて消費する分以上に、食事でエネルギーを摂取してしまうと、余剰分の糖質が中性脂肪に作り替えられてしまいます。
「食べ過ぎ」は中性脂肪を高める原因のひとつ。
普段、満腹になるまで食べることが多いという方は、注意が必要です。
中性脂肪を下げるためには、日ごろから腹八分目を意識しましょう。
その時は物足りなくても、しばらくすると血糖値が上がり、満腹感が増してきます。
ゆっくり食べることも食べ過ぎ予防には効果的です。
炭水化物メインの食事を控える
パスタやそば、うどんなどの麺料理は、おかずが付かない単品メニューとなることがが多く、食事全体として炭水化物(糖質)に偏りがちです。
また、どんぶり、カレー、チャーハンなど、いわゆる「ご飯もの」も糖質に偏りやすく、中にはかなり高エネルギーなメニューも。
中性脂肪を下げるためには、麺料理やご飯ものはできるだけ避けましょう。
主菜や副菜が揃いやすく、ご飯の量が調節しやすい定食スタイルがおすすめです。
コンビニで食事を買う際にも、炭水化物に偏る一品ものは避けて、おにぎりとおかずを組み合わせたり、品数豊富なお弁当を選ぶなどの工夫をしましょう。
甘いものを控える
スイーツ、デザートなど甘いものを日常的に食べる方は、少しずつでも良いので減らしていく習慣をつけましょう。
また、食べ物だけでなく、飲み物にも注意が必要です。
砂糖が多く含まれている清涼飲料水や、ジュース類、カフェの甘いドリンクメニューなどは、糖質の摂り過ぎにつながるので、できるだけ避けることをおすすめします。
お酒を控える
お酒をよく飲む方は、飲む頻度を減らす、1回に飲む量を減らすなどして、全体の飲酒量を減らしていきましょう。
アルコール度数の高いお酒は、水やソーダで割ってアルコール度数を下げる工夫もおすすめです。
特に、アルコール以外に糖質を多く含むビール・日本酒などの蒸留酒や、甘いカクテルなどは、糖質の摂り過ぎや中性脂肪を高める原因となるため、なるべく控えましょう。
たんぱく質や脂質にも注意
糖質とアルコールは、直接中性脂肪を上げる原因ですが、脂質やたんぱく質なども摂り過ぎには注意が必要です。
脂質やたんぱく質にも、エネルギー(カロリー)があり、摂り過ぎれば「肥満」の原因に。
「肥満」は中性脂肪を高める一因であることも知られています。
中性脂肪を下げるためには、糖質やアルコールの摂取量を中心に気を付けながらも、全体のエネルギー摂取量を抑えていくことが大切です。
正しい食事改善方法に取り組もう
「中性脂肪が高い」と分かったときには、普段、糖質やアルコールを摂り過ぎていないか、摂取エネルギーが全体として高すぎないか、振り返ってみましょう。
正しい方法で食事の改善に取り組めるよう、今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。