こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。
連日のニュースで新型コロナウイルスに関する報道が流れ、不安になりますね…。
マスクなどで感染を防ぐことも大切ですが、栄養士としては食事で体の内側から身を守ることもおすすめしたいところ。
人間には、ウイルスや細菌などの外敵から体を守る仕組みがあり、これを免疫といいます。
風邪を予防したり、ウイルス感染から身を守るためには「免疫力」が重要です。
免疫力を高めていくには、
- 免疫に関わる栄養素を摂ること
- 免疫を司る腸内の状態を整えること
この二つがポイント。今回は一つ目の『免疫に関わる栄養素』を中心にご紹介し、二つ目については次回の記事でお伝えしたいと思います。
免疫力に関わる4つの栄養素
免疫力を高めるために意識したい栄養素には、次のようなものがあります。
たんぱく質
白血球などの免疫細胞そのものや、免疫に関わる酵素の材料となります。
動物由来のたんぱく質と植物由来のたんぱく質があるので、両方バランスよく取り入れることをおすすめします。
【含まれる食品】
肉類、魚類、卵、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)、乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)
ビタミンA
喉や鼻などの粘膜や、血管の健康を維持する栄養素です。それにより、ウイルスの侵入を防いだり、免疫細胞が活発にはたらくのを助けます。
【含まれる食品】
レバー、うなぎ、ほうれん草、卵など
ビタミンC
免疫細胞を活性化させる、免疫成分を改善するなどの効果があり、健康維持にはたらきます。[1]
【含まれる食品】
ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、キウイ、イチゴなど
亜鉛
免疫細胞のたんぱく質を活性化[2]させ、細菌やウイルス感染を予防します。
【含まれる食品】
牡蛎、牛肉、豚レバー、卵黄、たらこなど
4つの栄養素を摂るには「食事バランス」を整えて
免疫力アップに大切な栄養素や食品は分かったものの、それをどう上手く食事に取り入れたら良いの?と思いますよね。
実はこれらの栄養素については、バランスの良い食事であることに気を付けていれば自然に摂れるものが多いのです。
「それだけでいいの?」と思った方もいるかもしれません。でも、たかがバランス、されどバランス。
- ごはん・パン・麺などの【主食】
- 肉・魚・卵・豆類などの【主菜】
- きのこ・海藻などの【副菜】【汁物】
これらが揃った食事を毎食、と考えると意外に難しくはないでしょうか。
朝はパンだけ。昼は丼ものや単品麺料理。夜は飲み会でおつまみがメイン…などなど。
毎回主食・主菜・副菜を揃えることは難しいとしても、ぜひ可能なタイミングで、食事バランスを意識してみてください。
野菜料理を一品足す、卵をトッピングする、丼を避けて定食にするなど、出来ることから少しずつ取り組めると良いです。
また、できるだけ料理に使われている食品数が多くなるよう、心掛けてみましょう。
日々お仕事や育児に忙しく、あまり食事に気を遣う時間がない方はたくさんいらっしゃると思います。
ただそのような方こそ、体調は崩せないですよね…。
日ごろ食事の見直しを行いながら、免疫力を高め、ウイルスや細菌にも負けない健康的な体を維持しましょう!
参考
[1] Immune-enhancing role of vitamin C and zinc and effect on clinical conditions. – PubMed – NCBI
[2] http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/19.html