灰汁(アク)とは?アク取りが必要な理由、アク取りのコツ

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管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。

料理をするとき、普段なにげなく取り除いているアクですが、なぜアク取りが必要なのかご存じでしょうか。

料理がおいしくなる、アクは取り除くもの、というイメージがありますよね。
実は、アクにも種類があり、取り除く理由もそれぞれあるんですよ。

今回は、料理の味や仕上がりをワンランクアップさせるアク取りについて詳しくお伝えします。
アク取りの方法やコツについてもご紹介するのでぜひ参考にしてみてください♪

アクとは?

アクは漢字で灰汁と書きますが、えぐみ・苦味・渋みといった、料理の味や見た目に悪い影響を与える成分の総称です。

また、肉や魚の臭み、人体に悪い影響を与える毒素、野菜の変色の原因になる成分などのことでもあります。

アク取りが必要な理由、アク取りしないとどうなる?

アク取りが必要な理由として、味・見た目・毒素の除去があります。

アク取りが必要な理由①味や見た目を良くする

アク取りをすることで、えぐみや苦みを食材から取り除きます。

食材によっては渋みや苦みが強いものや、肉や魚などのように臭みがあるものありますよね。
このような食材は、下処理をしたり、調理中こまめにアク取りをすることで、できあがった料理の味がおいしくなるのです。

加熱中に泡やたんぱく質のかたまりとして浮いてくるアクは、取り除くことで見た目や舌触りがよくなります。

また、ごぼうなどが持つ色素を水にさらして取り除けば変色を防ぐことができ、これもアク取りの一種です。

アク取りをすることのメリットとして、

  • 渋み・苦味を取る
  • 臭みを取る
  • つゆが済んで透明になる
  • 変色を防ぐ

などがあり、味や見た目の点で料理の仕上がりが良くなります。

このようなアク取りは、多少しなかったとしても人体に大きな影響がでることはありません。
一方、注意したいのは、次に説明する毒素の除去を目的とするアク取りです。

アク取りが必要な理由②毒素の除去

植物はもともと外敵から身を守るために苦みや毒素を持っていると言われています。

例えば、ほうれん草のように苦み成分のシュウ酸を多く含むものは、湯がいてシュウ酸を取り除く必要があります。
アク取りをせずシュウ酸を摂りすぎてしまうと、カルシウムや鉄分の吸収が悪くなったり、結石ができやすくなるので注意が必要です。

また、山菜やタケノコなどのように、タンニンやアルカロイドを含むものはアク取りをしなかった場合、苦みが残り、消化吸収が悪くなることがあります。

このような人体に影響のあるアクを取り除く場合は、湯通しや下ゆでをしてから調理するようにしましょう

続いて、アク取りの方法とコツについてもご紹介します。

アク取りの方法とコツ

肉や魚のアク取り方法

お肉や魚から出るたんぱく質のアクは、主に見た目を良くしたり、臭みを取り除く目的で取り除きます。

アク取りのコツ(肉・魚)

煮物などの場合、煮立たせることで食材からアクが出てきますので、いったん煮立たせてからアク取りをすると良いでしょう。

ボウルに水をはっておいて、おたまじゃくしや網じゃくしで浮いてきた泡やたんぱく質をすくい、ボウルに取っていきます。
ゆでている煮汁の上から、厚めのキッチンペーパーをかぶせてアクを吸い取るのも良い方法です。

浮いてきたアクを取ることで、煮汁に透明感が出で、味もアップしますよ。
かつお節などから出汁をとる時は、こまめにアクを取ると臭みのない良い出汁になります。

野菜のアク取り方法

野菜や山菜など植物のアク取り方法は、水さらし・湯通し・ゆでこぼしなどです。

苦味やえぐみが強い食材はしっかりアク取りが必要な一方で、ゆですぎるとビタミンなどの成分も溶け出してしまうので、加減が大事です。

食材によってアク取りの加減が異なるので、コツを押さえて上手にアク取りしたいですね。

アク取りのコツ(野菜)

ほうれん草のアク取りは、塩を入れたたっぷりのお湯でゆでたあと、軽く冷水にさらします。たっぷりのお湯でゆでこぼすことで、シュウ酸が溶け出ます。その後、冷水にさらすとさらにシュウ酸を取り除くことができますが、ビタミンも溶け出てしまうため短時間にしましょう。

大根を煮物に使う場合は、苦みやえぐみが残りやすいため、米のとぎ汁でゆでてアク抜きをすることがあります。
このような下処理をしておくことで、大根がやわらかくなって味がしみ込みやすく、すっきりとした味に仕上がりますよ。

たけのこにはシュウ酸が含まれているので、米ぬかを入れたお湯でゆでてしっかりとアク抜きをしましょう。

ワラビやゼンマイなどのアクが強く繊維のある山菜は、重曹を入れたお湯でゆでてアク抜きをします。
重曹を使うことで繊維がやわらかくなり、しっかりアク抜きができますよ。

時間が経つと黒くなるアク

れんこん・なす・ごぼう・さつまいも、じゃがいもなど、時間が経つと黒くなる食材は、水にさらしてアク取りします。

時間が経つと黒くなるのは、主にポリフェノールが酸化することによります。

ポリフェノールは体に悪いものではなく、それほど神経質にならなくても大丈夫ですが、料理の色を良くしたい・変色を防ぎたいといった場合はアク取りをしましょう。

黒くなるアクを取り除く方法は、食材をカットした後に水にさらします。

れんこうやごぼうを白く仕上げたい場合は、酢水にさらしたり、調理の際にも味の邪魔にならない程度に少しお酢を垂らす方法も効果的です。

正しいアク取り方法で、ワンランク上の料理に♪

今回は、料理をする上で重要なアク取りについて詳しくお伝えしました。

アクにも種類があり、取り除かないと健康に影響があるものから、料理の見た目や味に影響するものまでさまざまです。

ぜひ参考にしてみてください♪

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