こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。
最近は手作りゼリーの頻度が増えました。大きめの容器に入れて作り置き保存しておくとちょっとしたおやつやデザートにもぴったりです。
ゼリーを手作りするとき、固めるのに使われる代表的なゲル化剤には、寒天やゼラチン、アガーな色々ありますが、どれを使うかによって食感がだいぶ変わるので楽しめますよね。
今回のテーマは、ぷるぷるとして口溶け良い食感に仕上がるゼラチンです。
「ゼラチンゼリーに生フルーツを入れると上手く固まらない」のをご存知でしたか?
ゼラチンの特徴
ゼラチンは、牛や豚の骨や皮に含まれるコラーゲンに熱を加えて抽出したものです。
コラーゲンはたんぱく質の一種で、そこから得られたゼラチンの主成分もたんぱく質です。
ゼラチンは通常、50~60℃くらいで溶けて、20℃以下に冷やすと固まります。
しかし一部の果物を入れてしまうと、20℃以下にしてもなかなか固まりません。なぜでしょうか?
実は、果物の中には「たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)」が含まれているものがあります。これがたんぱく質であるゼラチンを分解してしまうことで固まらなくなるのです。
たんぱく質分解酵素を含む代表的な果物は、パイナップル、キウイ、イチジク、パパイアなどが有名です。
フルーツゼリーを固める方法
酵素は熱で失活するので、一度加熱された果物を使えばゼラチンは分解されません。
- 買ってきた果物を使う場合は加熱する
- 缶詰の果物を使う(加熱処理されているため)
こうすると、ゼラチンを使ったフルーツゼリーも固めることができます。
▼こちらは缶詰のみかんとパイナップルでつくったゼラチンゼリー。
ちゃんと固まっています。
フレッシュなフルーツをそのまま使ったゼリーが作りたい!ということであれば、残念ながらゼラチンは向いていません。
寒天やアガーなど、別のゲル化剤を選びましょう!
ちなみに、加熱した果物でも固まらない・・・という場合、原因は
- ゼラチンの濃度が低い
- 温度が高い
- 冷やし固める時間が足りない
などが考えられます。
ゼラチン濃度は溶液(液体)の1.5%~3%必要です。
また、20℃以下で16~18時間冷やすことで安定して固まります。上手く固まらないときは、十分に冷え切っていない、あるいは固める時間が足りない可能性があります。
ゼリーが上手く固まらないときの参考にしてみてくださいね。