こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
日本人の食事に欠かせない食材「納豆」。中には毎日欠かさず食べている方もいるのではないでしょうか。
日々取り入れている食材だからこそ、栄養を最大限引き出しながら、無駄なく食べたいですよね!
この記事では、納豆の賢い食べ方について、種類の違いや調理方法、食べ合わせなどを中心にご紹介します。
形だけじゃない!納豆の種類と栄養価の違い
代表的な納豆の種類といえば、粒納豆とひきわり納豆ではないでしょうか。これらは、形状だけでなく栄養価も異なります。
特に注目したいのが、ビタミンKという栄養素で、これにはカルシウムが骨に沈着するのを助けるはたらきがあります。
100gあたりのビタミンK含有量は、粒納豆が600μgに対し、ひきわり納豆は930μgと約1.6倍もの差があります*。
*日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
この理由は、それぞれの納豆の作り方が違うためです。
粒納豆は大豆そのまま使用するのに対し、ひきわり納豆は大豆を砕いてから蒸し、納豆菌を付着させています。
砕かれた方が表面積が大きくなるため、納豆菌が多く付着し、発酵の過程でできるビタミンKの含有量が高くなるのです。
他にも、糖質代謝に関わるビタミンB1や、血行を良くする効果のあるビタミンEなどの栄養素についても、ひきわり納豆に比較的多く含まれています。
一方、ひきわり納豆は皮がはがれるため、食物繊維や一部ミネラル類は粒納豆の方が多くなります。
納豆を選ぶときには、気になる栄養素に合わせて選んでみると良いかもしれません。
ビタミンKを無駄にしない調理方法
納豆に含まれるビタミンKは油に溶ける性質があるため、油と一緒に摂ると高い吸収率が期待できます。
加熱には強い栄養素なので、炒めたり焼いたりしてもOKです。
ごま油やオリーブオイルをひとかけしてそのまま食べるのもおすすめです。
ビタミンKがより多いひきわり納豆は、ぜひチャーハンや野菜炒め、パスタのような、油でしっかり炒める料理に。粒が細かいので他の食材との馴染みも良いですよ。
ビタミンB1を無駄にしない調理方法
納豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質代謝に関わる栄養素です。
ビタミンB1は「アリシン」という成分と結合することで吸収されやすくなるという特徴があるため、納豆はアリシンを含む食材と一緒に摂ることがおすすめです。
アリシンを多く含む食材は、ネギ類(長ネギ、玉ねぎなど)やニンニク、ニラなど。
納豆に刻みネギをかけるのは、美味しさだけなく栄養的にも◎なんですね!
せっかくならカルシウムと一緒に!オススメは納豆×チーズ
納豆からは、カルシウムの骨への沈着をサポートしてくれるビタミンKが摂れるため、せっかくならカルシウムも一緒に摂れるメニューにするのがおすすめです。
カルシウムは乳製品や小魚などに多く含まれています。
特に納豆と同じ発酵食品のチーズは、美味しさの点でも良い組み合わせ。
納豆ごはんに粉チーズをかけたり、パン派の方は納豆とチーズを乗せて焼くなど、時間がない朝でも栄養が摂れるおすすめの食べ方です。
食べ方の工夫で栄養価UP!
納豆の種類の選び方や、おすすめの調理方法、食べ合わせなど、納豆の栄養を無駄なく食べるコツをご紹介しました。
ぜひ参考にしてみてください。