こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
「ヨーグルトは体に良い」と言われることが多い食品ですが、どのような健康効果があるか気になったことはありませんか?
また、市販されているヨーグルトの種類が多くて、どれが自分に合うのかわからないという方も多いかもしれません。
ヨーグルトは一回取り入れるだけではなく、継続して取り入れることでより良い効果が期待できますので、自分に合ったものを継続して取り入れたいですね。
今回は、ヨーグルトの健康効果・メリットや、ヨーグルトの種類別、選び方のコツについてお伝えします。
ヨーグルトの健康効果・栄養面でのメリット
ヨーグルトは牛乳などの乳に、乳酸菌やビフィズス菌、酵母を加えて発酵させた発酵食品です。
ヨーグルトの栄養面でのメリットは、牛乳の栄養をそのまま引き継ぎながら、発酵によって消化吸収しやすくなっていることです。たんぱく質・カルシウム・脂質など、もともとは牛乳に存在していた栄養素が分解され、消化吸収しやすい状態になっているんですよ。
また、体を作るのに必要な必須アミノ酸のバランスが良いため、食事でたんぱく質を補いたいときに手軽にプラスできます。
さらに、牛乳を飲むとお腹がゆるくなってしまう方でも、ヨーグルトであれば食べられる場合があります。ヨーグルトの乳糖は牛乳に比べて分解されている量が多いため、乳糖を分解できない乳糖不耐症の方でも食べられることがあるのです。※個人差があります。
ヨーグルトに含まれるそれぞれの栄養素を紹介します。
乳糖
脳や神経のエネルギー源である乳糖(ガラクトース)は、脳神経の成長にかかせない栄養素です。さらに、カルシウムや鉄分などのミネラルの吸収を助けます。 整腸作用があり、ヨーグルトでは乳酸菌によって20~40%が分解されて存在しています。
たんぱく質
人の体をつくる栄養素であるたんぱく質は、ヨーグルト内では一部がアミノ酸やペプチドに分解されており、牛乳よりも消化吸収しやすいのが特徴です。
また、ヨーグルトに含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸がバランス良く存在しています。必須アミノ酸とは、人が体内で作ることができず食事からの摂取が必要なアミノ酸のことです。必須アミノ酸のバランスが良いと、効率的に体づくりができるんですよ。
脂質
ヨーグルトに含まれる栄養素のうち、たんぱく質の次に多いのが脂質です。
ヨーグルト中では発酵によって消化しやすい状態で存在し、脂溶性ビタミンであるビタミンAを含みます。
ビタミンAは目や皮膚の粘膜の維持・抵抗力を強めたり、薄暗いところで視力を保つ役割がありますよ。
カルシウム
ヨーグルトのカルシウムは乳酸カルシウムとして存在しています。
乳酸カルシウムは、もともと牛乳に含まれるカルシウムと、発酵によってたんぱく質から分解されてできた乳酸が結びつくことで、より吸収されやすい状態となっています。
カルシウムは骨の維持に欠かせないほか、筋肉収縮などに関与しています。全年齢で不足しがちな栄養素であり、骨粗しょう症の予防や、イライラを抑えるはたらきが期待できますよ。
ビタミンA・B1 ・B2
ヨーグルトには、不足しやすい栄養素でもあるビタミンA・B1・B2が含まれています。
ビタミンAは目や皮膚の粘膜の維持・抵抗力を強めたり、薄暗いところで視力を保つ役割があります。
ビタミンB1は糖質の代謝にかかわる補酵素で、糖質をエネルギーに変換するときに必要です。
ビタミンB2は脂肪を燃焼させるときに必要で、エネルギー代謝や細胞の新陳代謝を促進し、健康な皮膚や髪、爪をつくるなど、発育や美容に関わるビタミンとも言えます。
菌類
ヨーグルトに含まれる乳酸菌により、腸内環境の改善が期待できます。
一般に、腸内環境は善玉菌と悪玉菌のバランスによって良くなったり悪くなったりすると言われています。乳酸菌やビフィズス菌を取り入れることで腸内の善玉菌が増えて優位になり、その分悪玉菌が減って腸内環境が良いほうに傾きます。
腸内環境が改善されると、肌荒れ改善・便秘改善・免疫機能の活性化などが期待できますよ。
ヨーグルトの中でもビフィズス菌が入っているものは、大腸まで届くことでさらなる効果が期待できます。
近年、生きたまま腸まで届く乳酸菌・ビフィズス菌や、内臓脂肪を減らしたり免疫力を高めるといった効果が期待できる菌が発見され、商品に利用されることが増えてきました。
また、菌を食事から取り入れる「プロバイオティクス」、菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を取り入れる「プレバイオティクス」、そしてその両方を合わせた「シナバイオティクス」の考え方が注目されていますよ。
ヨーグルトの種類別・選び方のコツ
ヨーグルトは商品によって菌の種類が異なり、腸内細菌も人によって異なります。そのため、どのヨーグルトにどれだけ効果があるのかは、個人差があります。
自分に合ったヨーグルトを選んで継続して取り入れるために知っておきたい、ヨーグルトの選び方や取り入れ方のコツについてお伝えします。
容器や形態など、食べ方タイプ別
市販のヨーグルトは、様々なタイプの容器に入れて販売されており、食べ方も様々ですね。
1食分がカップに入った食べきりタイプや、コスパのいい大型カップ、さらに飲料として手軽に飲めるドリンクタイプもあります。
カップ入り
1食分がカップに入った食べきりタイプは、手軽に取り入れることができるので、朝食時の忙しいときや、おやつなどにさっと出せるので便利です。
味や種類が豊富なので、気分に合わせて変えても良いですね。
大型カップ
ファミリーや毎日たくさん食べるという方には、コスパの良い大型カップをおすすめします。その中でも砂糖入り・砂糖なし・低脂肪などありますので、好みで選びましょう。
ドリンクタイプ
ドリンクタイプは少量で機能性を持つものや、開け閉めできる大型ボトルに入っているものなど様々です。
ドリンクタイプのヨーグルトは、ヨーグルトを薄めて作られているわけではないため、栄養成分は固形ヨーグルトと変わりません。砂糖などの甘味料が入っている場合が多いです。
そのため単品でも飲みやすく、忙しいときや飲み物としてさっと取り入れたいときに便利ですよ。
フレーバー、フルーツ果肉入り等
ヨーグルトのフレーバーは、いちご・ブルーベリー・アロエなど様々な種類が販売されています。こういったフレーバー付きやフルーツの果肉入りヨーグルトは、飽きずに継続して取り入れやすく、その時々で選ぶ楽しみもあるでしょう。
また、トッピングや追加の味付けを気にする必要がないため、おやつやデザートとして単品で手軽に取り入れることができます。
仕事や子育てで忙しいときなどに好きなフレーバーで気分転換できるうえ、ヨーグルトとしてのメリットがあるのが良いですよね。
脂肪分の有無
牛乳にも低脂肪牛乳があるように、ヨーグルトにも低脂肪タイプがあります。
「脂質0」のヨーグルトは、脂質を含まない無脂肪乳を発酵させて作られたヨーグルトになります。
低脂肪・無脂肪タイプは、さっぱりとしていてやや酸味のあるものが多いですが、乳脂肪やカロリーが気になる方におすすめです。ヨーグルトの整腸作用でダイエットもはかどりますよ。
砂糖の有無
ヨーグルトは加糖タイプと無糖のプレーンタイプがあり、砂糖の有無で選ぶこともできます。
砂糖入りのヨーグルトは甘みがあることによって酸味を感じにくいため、プレーンタイプのヨーグルトが苦手という方も取り入れやすいです。子供向けやおやつとしてなど、単品で取り入れたい場合にも加糖タイプは便利ですよ。
一方、砂糖が入っていないプレーンタイプは、糖質やカロリーを抑えたい方や、料理・お菓子づくりにも向いています。
自分好みの糖質や味付けにするなどアレンジを加えられるのも、プレーンタイプの良いところです。
たとえばビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖や、食物繊維豊富なバナナなどを加えることで、より効果的な整腸作用を期待できますよ。
ビフィズス菌の有無
乳酸菌によって発酵されたヨーグルトは腸内環境を整えるのに役立ちますが、ビフィズス菌入りのヨーグルトはより高い整腸効果を発揮します。
ビフィズス菌はすべてのヨーグルトに入っているわけではありません。
ですので、より整腸作用を期待するのであれば、「ビフィズス菌入り」とパッケージに記載のあるヨーグルトを取り入れると良いですね。
機能性の有無(トクホ・機能性表示食品)
「免疫力アップ」「コレステロールを低下させる」「内臓脂肪を減らすのを助ける」などのように、パッケージに機能性が表示されているヨーグルトもあります。
こういった機能性は、トクホや機能性表示食品として科学的根拠に基づいて表示されています。
一般的に価格は高めですが、プラスアルファの機能性を求めている方に向いていますよ。
ご自身の体調に合ったヨーグルトを探してみてくださいね。
最後に
ヨーグルトといっても様々な種類がありますので、自分に合った形態やタイプを選んでみましょう。
整腸作用を期待する場合は、同じヨーグルトを1週間ほど試してみて、自分の体質に合っていたら継続して取り入れられると良いですね。
ぜひ参考にしてみてください。