こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
米粉には、「お米から作られていてヘルシー」「小麦粉の代わりにも使えそう」といったイメージがありませんか?
また、小麦粉の価格が変化する一方で、比較的価格の安定している米粉が気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、米粉の調理・健康におけるメリット・デメリット、小麦粉との違いや、おすすめの米粉活用方法についてご紹介します。
米粉の調理・健康におけるメリット
ダマになりにくい
米粉は小麦粉に比べてさらっとしており、ダマになりにくい特徴があります。
そのため、混ぜる前にふるいにかける必要がなく、あまり力を入れなくても他の材料と混ぜ合わせることができます。
このような扱いやすさは、米粉のメリットのひとつです。
小麦アレルギーでも食べられる
米粉は米からできているため、小麦が含まれません。
そのため小麦アレルギーの方でも食べることができ、小麦粉の代替食として活躍します。
GI値が小麦粉より低く、糖質が気になる方に向いている
GI値とは、食後2時間までに血液中に糖質がどれだけあるかを測った数値で、食品に含まれている糖質を吸収する度合いのことです。
米粉は小麦粉とくらべてGI値が低いため、ダイエット中の方や糖質が気になる方に向いている食品と言えるでしょう。
水分を吸収しやすい
米粉には水分を吸収しやすいという特徴があります。小麦粉と比べると最初は粉っぽいですが、混ぜると徐々に粉っぽさがなくなりなめらかになってきます。
また、水に溶けやすいので小麦粉のようにボウルに付着しにくく、さっと洗い流せて後片付けが楽というのも米粉のメリットです。
米粉のデメリット
価格が比較的高め
米粉のデメリットとして、比較的価格が高めなことがあげられます。
しかし昨今の小麦粉の価格変動に比べると、米粉は国内でつくられていることもあって価格は安定しています。
また、健康面などでのメリットを考えると、多少の価格差はあまり気にならないかもしれませんね。
時間の経過とともに底に沈みやすい
米粉は時間の経過とともにボウルの底などに沈みやすく、たまりやすいといった特性があります。
そのため、混ぜてから時間が経過した生地は、直前にもう一度混ぜてから使うと良いでしょう。
小麦粉との違い
グルテンを含まない
小麦粉にはグルテンの元であるたんぱく質が含まれており、水を加えてかき混ぜたりこねることでグルテンがつくられます。
グルテンは弾力性と粘り気があり、パンを焼いたときに空気を保持して膨らみやすいのも、こねることによってグルテンがつくられるためです。
一方で米粉はグルテンを含まず、こねてもグルテンのような弾力や粘り気は出ません。そのため、うどんのコシやフランスパンのような食感はうまれにくいです。
アミノ酸量
栄養成分ではエネルギー・たんぱく質・炭水化物などの量に大きな違いはありませんが、米粉と小麦粉ではアミノ酸量に違いがあります。
米粉は、体をつくったり維持するのに必要なアミノ酸の量やバランスが、小麦粉よりも優れていますよ。
吸油率が低い
米粉と小麦粉では吸油率に違いがあります。吸油率とは、その名の通り油をどれだけ吸収するかを表したものです。
小麦粉よりも米粉のほうが吸油率が低いため、米粉のほうが油を吸収しにくく、その分摂取カロリーを抑えることができます。
小麦粉と米粉の吸油率の違いにより、油脂を多く含むクッキーなどの場合は、単純に小麦粉を米粉に置き換えただけでは上手くいかないことがあります。
その場合は米粉のレシピを参考にしたり、お菓子用米粉を使用するなど工夫すると良いでしょう。
続いて、米粉の特性を生かしたおすすめの活用法をご紹介します。
おすすめの米粉活用法
揚げ物に最適
米粉は油を吸収しにくいため、揚げ物に向いています。
米粉を活用してつくった揚げ物は冷めてもべたつかず油切れが良いので、カロリーが低めでサクサクとした食感になりやすいです。
一般的に、揚げ物の衣に米粉を使用する場合は、ほかの料理に使用する場合と比べて少量ですので、米粉の活用に慣れていない方でも試しやすいのもポイントです。
チヂミ・お好み焼きの生地に
米粉は、チヂミやお好み焼きなどの生地に活用することができます。
小麦粉の代わりに使用することで表面はカリカリ、中はモチモチとした食感に仕上がりますよ。
米粉の特性上、底にたまりやすいので、直前に底から大きくかき混ぜてから焼いてみてくださいね。
グラタン・シチューなどのホワイトソースに
米粉はダマになりにくいため、ホワイトソースに活用するのもおすすめです。
米粉を使用することでかき混ぜやすくなめらかに仕上がるうえ、小麦粉で作ったものと見た目に大きく変わらないため、小麦アレルギーのお子様にも喜ばれる料理ですよ。
ホワイトソースに使う牛乳を豆乳に代えたアレンジも良いですね♪
パン用・お菓子用の米粉を取り入れる
上記の料理には上新粉や白玉粉などの料理用米粉で十分ですが、パンやお菓子づくりの場合はパン用・製菓用の米粉を活用するのがおすすめです。
パンやシフォンケーキなどふっくらさせたいときや、クッキーのように食感がポイントになる場合は、吸油率や給水率の違いから料理用米粉ではうまくいかないことが多いためです。
また、単純に小麦粉を米粉に置き換えただけではうまくいかないことがありますので、失敗しないためにも米粉のレシピを活用してくださいね。
料理用米粉の種類
さきほども触れましたが、ふっくらした触感にこだわらないときは、上新粉や白玉粉などの料理用米粉を使用して大丈夫です。
料理用米粉には、上新粉・白玉粉・道明寺粉・もち粉などがありますので、それぞれ簡単に説明します。
- 上新粉…うるち米を精白・水洗いし乾燥後、粉にしたもの。かしわ餅、だんごなどに使用される。
- 白玉粉…もち米を精白・水洗いし水挽きして沈殿物を乾燥させたもの。白玉団子などに使用される。
- 道明寺粉…もち米を蒸して餅にして乾燥させ粗く砕いたもの。桜餅、おはぎなどに使用される。
- もち粉…もち米を精白し、水洗いしてから粉にして乾燥させたもの。大福餅などに使用される。
最後に
米粉は和菓子だけでなく、揚げ物・グラタン・チヂミなどの料理で小麦粉の代わりとしたり、パン・製菓用の米粉を使用すれば、パンやお菓子づくりにも活用できます。
ぜひ参考にしてみてください。