こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。
緑黄色野菜は体に良いイメージはあるけど、実際なぜ良いのかよくわかっていない、という方は多いのでは。
緑黄色野菜には様々な栄養素が含まれていますが、その中のいくつかの栄養素は「動脈硬化予防」に効果的です。
今回は、緑黄色野菜の特徴と動脈硬化について解説し、なぜ緑黄色野菜が動脈硬化予防に効果的なのか紹介したいと思います。
最後には緑黄色野菜がたっぷり摂れる簡単レシピも載せているので、ぜひ参考にしてみてください。
緑黄色野菜とは
「緑黄色野菜」とは、一般的に色の濃い野菜と思われがちですが、定義としては
カロテンを可食部100g中に600μg以上含む野菜
のことを指します。
代表的なものは、ほうれん草、にんじん、ブロッコリー、かぼちゃなど。
トマトやピーマン、アスパラなどはカロテンが600μg未満であるものの、食べる回数や量が多いため「緑黄色野菜」に分類されます。
緑黄色野菜はどれくらい摂ったらいいの?
厚生労働省は、野菜摂取の目標量を定めており、それによると
1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上
とされています。
動脈硬化について
動脈硬化は病名ではなく、動脈(血管)が厚くなったり硬くなったりしている状態です。
動脈硬化が進行すると、血管が狭くなったり詰まったりすることで、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こします。
動脈硬化はどのようにして起きるのでしょうか。
動脈の内膜に血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)などが沈着することで動脈硬化が起きます。ただし、血液中にLDLコレステロールが増加するだけでは直接動脈硬化に進展しません。
活性酸素によってLDLが酸化LDLに変化すると、血管に障害を与える(沈着につながる)ようになることが分かっています。
そのため、動脈硬化予防のためには
- 血液中のLDLコレステロールを増やさないこと
- 活性酸素などによる、酸化LDLを増やさないこと
の2つが重要です。
緑黄色野菜が動脈硬化予防に効果的な理由
動脈硬化予防には「血液中のLDLコレステロールを増やさない」「酸化LDLを増やさない」という2つが重要です。
緑黄色野菜は、カロテンを豊富に(600μg以上)含む野菜、と説明しましたが、このカロテンは非常に抗酸化作用の強い成分で、LDLコレステロールを酸化LDLにするのを防ぎます。
カロテン以外にも、緑黄色野菜に多く含まれる栄養素、ビタミンCやポリフェノールにも抗酸化作用があります。
そしてもう一つのポイントは、緑黄色野菜に豊富に含まれる食物繊維です。食物繊維には、腸内でコレステロールを包み込み、体外に排出する働きがあります。
したがって緑黄色野菜は、
- 食物繊維によって「血液中のLDLコレステロールを増やさない」
- カロテンや他の抗酸化物質によって「酸化LDLを増やさない」
のどちらにも効果的です。
【緑黄色野菜レシピ】ブロッコリーとアスパラのごまだれサラダ
最後に、緑黄色野菜がたっぷり摂れるレシピを紹介します。
野菜を電子レンジで加熱することで、ビタミンCなどの栄養成分の損失をなるべく抑えられます。
一見作るのが大変そうな「ごまだれ」は、2つの調味料を混ぜるだけで簡単&美味しく作ることができます。
材料(2人分)
- ブロッコリー 1株
- アスパラ 4本
- ゆで卵 1個
<A>
- 練りごま 大さじ1
- 麺つゆ(3倍濃縮) 大さじ1
作り方
- <A>を混ぜ合わせ、ごまだれを作る。ゆで卵は6等分に切る。
- ブロッコリーは小房に分け、耐熱皿にのせて水大さじ1(分量外)を振りかける。ふんわりとラップをして600Wのレンジで2分ほど加熱する。
- アスパラは皮を剝き、斜め切りにする。ラップで包み、600Wのレンジで1分ほど加熱する。
- 器にブロッコリー、アスパラ、ゆで卵を盛り付け、ごまだれをかける。
まとめ
緑黄色野菜は、血液中のLDLコレステロールを増やさない、そしてLDLコレステロールを酸化させない、二つの理由で動脈硬化予防に効果的です。
将来の生活習慣病予防のためにも、緑黄色野菜は積極的に取り入れていくことをおすすめします。
ぜひ参考にしてみてください。