こんにちは、管理栄養士の廣野沙織(ひろのさおり)です。
いよいよ忘年会シーズン。仕事仲間や友人との飲み会があちこちで開催され、連日お酒漬け・・・という方も多いのではないでしょうか。
楽しい時間を過ごせる一方で、やっぱり気になるのが飲み会による体重増加。また、ダイエット中だけど飲み会は参加しなきゃ、という声を聞くこともあります。
そこで今回は、忘年会シーズンに役立つ「太りにくいお酒の選び方、飲み方」について解説したいと思います。
まずはお酒の適正量とカロリーをチェック!
お酒の選び方や飲み方のコツをお伝えする前に、まずは普段よく飲むお酒のカロリーをチェックしてみましょう。
同重量で比較することもできますが、強いお酒をビールのようにガブガブ飲むことはないですよね。そこで、ここでは一日の適正量と言われている「20g」のアルコール量で比較してみます。
各お酒の適正量(アルコール20g換算)とそのカロリーは以下の通りです。
※およその値です。
■ビール
中びん1本(500ml):200kcal
■日本酒
1合(180ml):190kcal
■焼酎
0.6合(100ml):160kcal
■ウイスキー
ダブル1杯(60ml):140kcal
■ワイン
2杯(240ml):180kcal
■缶チューハイ
1缶(350ml):190kcal
■梅酒
2杯(200ml):310kcal
20gのアルコール由来のカロリー(約140kcal)を除いたカロリーは、ほとんど「糖質」由来のカロリーです。※後程詳しく解説します。
梅酒のように甘いお酒や、ジュースで割ったカクテルなどは糖質が多く、お酒全体のカロリーも高くなります。
お酒のカロリーはほとんど「糖質」と「アルコール」
糖質は1g当たり4kcal、アルコールは1g当たり7kcalのエネルギーがあります。最も高エネルギーである脂質が1g当たり9kcalということを踏まえると、アルコールのエネルギーは決して油断できません。
牛乳割りのような特別なものを除き、ほとんどのお酒のカロリー(エネルギー)は糖質とアルコールに由来しています。
そのため、なるべく太るのを防ぐためには、お酒の「アルコールの量」と、「糖質の量」に注意すると良いですよ。
太らないコツ①アルコールの量に注意
アルコールが「エンプティーカロリー(Empty Calory)」、つまり“空”のカロリーと呼ばれることがあるために誤解されやすいのですが、「アルコールは太らない」というのは誤りです。
アルコールは体に役立つ栄養素が含まれていない(=エンプティー)という意味であり、しっかりカロリー(エネルギー)はあります。
アルコールは他の栄養素と異なり、体に蓄積されずエネルギーとして代謝されますが、それがなければ本来燃やされるはずだった糖質、脂質、たんぱく質が使われずに余ってしまい、これらは結果的に体脂肪として蓄積されてしまいます。
つまり、アルコールをたくさん摂れば摂るほど、全体の摂取カロリーは高くなり、他の栄養素が燃やされるのが後回しになり、その結果太りやすくなる。ということ。
そのため、太りにくい飲み方の一つ目のポイントは、アルコールの摂取量を抑えることです。具体的な手段としては、
- 途中でお茶やお水を挟む
- 強いお酒は水やソーダで割る
- グラスを選べる場合は小さいものを選ぶ
などがあります。
太らないコツ②糖質の量に注意
“お酒の適正量とカロリーチェック”のところでお伝えしたように、同じアルコール量で比較した際のカロリーの差は、ほとんど糖質由来のカロリーです。糖質はアルコールと異なり、体脂肪として蓄えらてしまうので、更に注意が必要です。
なるべく太りたくないという方は、糖質を含まない蒸留酒を優先し、糖質を多く含む醸造酒や混成酒の摂り過ぎには注意しましょう。
お酒の種類については、以下を参考にしてみてくださいね。
【蒸留酒】
- 焼酎
- 泡盛
- ウイスキー
- ジン
- ウォッカ など
【醸造酒】
- ビール
- 日本酒
- ワイン など
【混成酒】※醸造酒や蒸留酒に果実、糖分、香辛料などを加えて作ったお酒のことです。
- 果実酒
- 酎ハイ
- カクテル
- リキュール など
糖質が特に多いのは、砂糖やシロップが加えられた果実酒や、甘いジュースで割ったカクテルなど。飲みやすい、美味しいといった理由で選ばれやすいですが、高糖質&高カロリーのため要注意なお酒です。
ただし、糖質を含まないお酒だからといって、蒸留酒をたくさん飲み過ぎれば、アルコール由来のカロリーの影響で太ってしまうので注意してくださいね!
最後に
今回はお酒の種類に注目して、太りにくい飲み方のコツについて解説しました。ぜひこの忘年会シーズン、参考にしてみてください。
次回は食べ物、おつまみ編を予定しています。お楽しみに!