本みりん・みりん風調味料・みりんタイプ発酵調味料それぞれの違いと使い分けるコツ

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こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。

「みりん」は自然な甘みや照りを出せるため、煮物などを作る時に重宝しますよね。

スーパーに並んでいる「本みりん」や「みりん風調味料」「みりんタイプ発酵調味料」といった商品を見て、どれにしようか悩んだことはありませんか?

これらの3種類はどれも同じような調味料に思われがちですが、アルコール・塩分・風味の違いなど、実はそれぞれ特徴があるのです。

今回は、本みりん・みりん風調味料・みりんタイプ発酵調味料、それぞれの違いと使い分けるコツについて解説します。

みりんを入れることのメリットと、3種類のみりんの違い

みりんは日本料理を作る時にかかせない調味料のひとつです。

みりんを入れることで照りが出て、食材のしっとり感が保たれパサつきが解消される、といったメリットがあります。

さらに、アルコール分が含まれる本みりんなどを使用する場合は、魚やお肉の臭みとりにもなります。

砂糖とお酒でも代用は可能ですが、どうしても味が平たんになってしまい、みりん独特の優しい甘味や風味は出せません。

また、みりん特有の照りが見た目のおいしさに繋がります。

そんなみりんですが、冒頭の通り、3タイプあります。

  • 本みりん
  • みりん風調味料
  • みりん風調味料

本みりんは昔ながらの調味料ですが、本みりんに風味を近づけて作られているのが、みりん風調味料とみりんタイプ発酵調味料です。

どちらもその名の通り、本みりんの代用品として使用できますが、3種類それぞれに特徴があります。

3種類の違いが分かると、選ぶ際に悩むことはありませんし、作りたい料理に合わせて活用できますね。

それぞれの特徴と使い分けるコツについて、種類ごとに詳しく解説します。

「本みりん」の特徴と使い分けるコツ

本みりんは、アルコールを13~14%含み、お酒(酒類調味料)に分類されます。

もち米・米こうじ・お酒(焼酎またはアルコール)を原料にして、糖化・熟成させて作られます。

糖化・熟成の過程では、米こうじの酵素によってでん粉やタンパク質が分解されます。それにより、甘味であるブドウ糖・オリゴ糖、うま味であるアミノ酸・有機酸・香気成分などが作られ、みりん独特の風味になります。

本みりんはアルコール度数が高いことから、常温保存が可能です。

アルコールが入っていることで料理酒のように、魚やお肉の臭みとりとしても使用でき、味のしみこみが良くなることが特徴です。

また、照り焼きに使用する場合、褐変やうまみの元となるブドウ糖が含まれているため、本みりんを使用することで照り焼き独自の褐色・香ばしさ・うま味が生まれやすくなります。

本みりんは酒税がかかるためやや高額ではありますが、昔ながらの調味料で、糖化によって作られたブドウ糖の自然な照りや優しい甘さが特徴です。

使い分けるコツとしては、おもてなし料理や本格的な和食を作りたい場合、照り焼きを作りたいときに、本みりんを使用するのがおすすめですよ。

「みりん風調味料」の特徴と使い分けるコツ

みりん風調味料は、糖類(ぶどう糖や水飴)にうま味調味料や香料を混ぜて作られます。

糖化・熟成させて作られる本みりんとは異なり、みりん風調味料は糖化や熟成をさせずに作られるのが特徴です。

みりん風調味料のアルコール分は1%未満となっており、酒類に含まれません。

そのため酒税がかからないため、本みりんに比べて安価でつくることができ、本みりんの代用品として扱われます。

アルコールが多く含まれる本みりんと違ってアルコールによる保存性は期待できないため、冷蔵庫保管が基本です。

ドレッシングや和え物などの非加熱調理に使う場合は、アルコールの少ないみりん風調味料が便利です。

本みりんやみりんタイプ発酵調味料はアルコールを煮切る必要がありますが、みりん風調味料はアルコール分が低いため、加熱せずにそのまま使うことができます。

非加熱調理はみりん風調味料、加熱調理には本みりんやみりんタイプ発酵調味料を使うなど、使い分けるのがコツです。

「みりんタイプ発酵調味料」の特徴と使い分けるコツ

みりんタイプ発酵調味料は、本みりんとみりん風調味料の良い点を合わせたような特徴があります。

みりんタイプ発酵調味料の作り方は商品によってさまざまですが、主に水飴・米こうじなどを原料として発酵させ、食塩を加えて作られます。

みりんタイプ発酵調味料のアルコールは8~20%で、本みりんと同様に素材の臭みをとったり、味しみをよくするために使うことができます

ただし、みりんタイプ発酵調味料は保存性を高めるために塩分が高めです。

そのため酒税法がかからず本みりんよりも安価となっていますが、ほかの調味料の塩分を減らすなどして味を調整する必要があります。

塩分の調整ができる場合は、安価で発酵による風味もあるみりんタイプ発酵調味料を使用し、塩分調整が苦手な方や、調整の時間が取れない場合は本みりんや、みりん風調味料にするなど、使い分けるといいでしょう。

まとめ

いかがでしたか。本みりん・みりん風調味料・みりんタイプ発酵調味料について、特徴と使い分けるコツをお伝えしました。

料理に甘味を出したいとき、砂糖だけでなくみりんを入れることで風味が増し、美味しくなります。

使い分けるコツとしては、

  • 本格的な和食や照り焼きを作りたい場合は、本みりん
  • 非加熱調理の場合や、味をしみこませたり臭みとりをしなくてもよい料理には、みりん風調味料
  • 塩分の調整ができる場合は、みりんタイプ発酵調味料

といったように、作りたい料理やシーンによってそれぞれの特徴が生かせるといいですね。

ぜひ参考にしてみてください。

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