油をなるべく吸わせない揚げ物のコツ。ポイントは衣と切り方!

  • URLをコピーしました!

こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。

カロリーは高いと分かっていても、やっぱり美味しい揚げ物。毎日でなくても、たまに食べたくなりますよね。

そこでやっぱり気になるのが「油」の量。揚げ物をしながら、「一体どれくらいの油が吸収されているの…!?」と考えてしまうこともありませんか。

今回は、私自身よく参考にさせていただいている書籍(調理のためのベーシックデータ第4版,女子栄養大学出版部)から、揚げ物がどれくらい油を吸うのか(=吸油率)を抜粋して、
揚げ方による違いを比較・考察し、【油をなるべく吸わせない揚げ物のコツ】を紹介したいと思います。

吸油率とは

まず、吸油率の説明です。

吸油率・・・揚げる前の材料(衣は含まない)に対する、揚げた後(揚げる前の材料+衣)が吸収した油の量

ここから、衣の量が多いと吸油率が高いというのが推測できますね。

実際にはどうなのでしょうか。それでは見ていきましょう。

素揚げの吸油率

  • カボチャ(薄切り):7%
  • ジャガイモ(4等分くし切り):2%
  • じゃがいも(太千切り):5%
  • じゃがいも(細千切):19%
  • ナス(丸ごと):14%
  • サツマイモ(1口大):3%
  • パセリ(1束):61%
  • クルトン(1cm角):99%
  1. パセリ・クルトンなど、水分を出し切ってしまうようなものは吸油率が高いです。
  2. 切り方によって吸油率が変わります。食材の体積に対する表面積が大きくなると(丸ごと→太千切り→細千切の順に)吸油率が高まります。油を吸収する表面部分が多いからです。つまり、大ぶりに切った方が油の吸収は抑えられます。

から揚げの吸油率

  • カレイ(1尾):7%
  • アジ(中サイズ):6%
  • アジ(小サイズ。豆アジ):13%
  • タラ(1口大):7%
  • 鶏モモ(1口大):4%
  1. 同じ材料に片栗粉または小麦粉をまぶして揚げた場合、小麦粉をまぶす方が吸油率は高いと言われています。
  2. アジの比較で分かるように、小さい形(=表面積が大きい)だと、吸油率は高くなります。油を控えたければ、大ぶりに切りましょう。

天ぷらの吸油率

  • アジ(開き1尾):14%
  • キス(開き1尾):18%
  • ナス(薄切り):18%
  • カボチャ(薄切り):18%
  • にんじんとごぼうのかき揚げ:74%
  • 青じそ天ぷら:640%
  • のり天ぷら:425%
  • さつまいも(薄切り):12%
  1. 根菜類で比較すると分かるように、天ぷらは素揚げより吸油率が高まります。天ぷらは衣に小麦粉・卵を利用しており、この衣が油を吸うためです。
  2. かき揚げのような細い千切り、青じそや海苔のような極薄いものは、体積や重量に対して表面積が大きいため吸油率が高まります。青じそ天ぷら、ほとんど油ですね…。

フライの吸油率

  • タラ(切り身):10%
  • カキ:33%
  • アジ(開き1枚):22%
  • 豚ロースカツ:14%
  • チキンカツ:14%
  • メンチカツ:7%
  • ポテトコロッケ:8%
  1. アジは唐揚げ(丸ごと)→天ぷら(開き)→フライ(開き)の順に吸油率が高まっていますね。天ぷらの材料にパン粉が加わるフライは、天ぷらよりもさらに油を吸うことが分かります。
  2. 揚げ物調理では、材料に含まれる水と揚げ油の交換が行われています。なので、水分少ない乾燥パン粉よりも、水分の多い生パン粉の方が吸油率が高まると言われています。

まとめ

吸油率の値から、どのように調理したらあまり油を吸わせないかというのが見えてきましたか?

吸油率を下げるには…

  • 材料はなるべく大きく切る
  • 衣の量を多く付けない
  • 衣の材料を工夫(以下参照)

がポイントです!

衣の材料に関しては、全てのパターンに当てはまるわけではないと思いますが、分かりやすいように順番を付けると、油を吸わない順に、

  1. 衣を付けない素揚げ
  2. 片栗粉のみのから揚げ
  3. 小麦粉のみのから揚げ
  4. 小麦粉+卵の天ぷら
  5. 小麦粉+卵+乾燥パン粉のフライ
  6. 小麦粉+卵+生パン粉のフライ

となります。

健康を気遣って油の摂取量を減らしたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!