土鍋と鋳物ホーロー鍋の違いと特徴。おすすめの料理や、最適なサイズは?

こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。

温かい料理がおいしい季節になりましたね。
寒い時期の料理と言えば鍋料理ですが、調理器具の鍋にはさまざまな種類があります。

近年人気のあるストウブ鍋、ル・クルーゼなどの鋳物ホーロー鍋や、昔ながらの土鍋についても気になりますよね。
鍋のサイズ選びや種類選びにも悩むところ。

今回は、土鍋と鋳物ホーロー鍋の違いや特徴、それぞれにおすすめの料理についてご紹介します。
料理に適した鍋のサイズについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

土鍋と鋳物ホーロー鍋の素材の違い

土鍋と鋳物ホーロー鍋の大きな違いは、その素材にあります。

鋳物ホーロー鍋は鉄でできていますが、土鍋は土から作られます。それぞれの素材について詳しく紹介しますね。

鋳物やホーロー(琺瑯)とは?その特徴は?

“鋳物”は、鉄を鋳型という型に流し込んで成形して作ります。

“ホーロー”とは、金属の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を焼き付けた素材のこと。ガラス質なのでツルツルとしていて汚れが落ちやすいという特徴があります。

ル・クルーゼ、ストウブ鍋、バーミキュラなどが「鋳物ホーロー鍋」になりますが、そのうちストウブ鍋は、鍋の内側は独自のコーティング加工が施されています。ル・クルーゼ、バーミキュラは内側もホーローでできています。

鉄でできた調理器具は熱伝導性がよい一方で焦げつきやすいのですが、鋳物ホーロー鍋は、ホーローやコーティング加工があることで、こげつきにくくなっています

鉄が露出していないため錆びにくい点も長所といえますね。
(かといって油断すると錆びますので、水分は飛ばしてから片付けましょう!)

土鍋の素材、特徴は?

土鍋は、陶器と同じように成形した粘土を焼いて、釉薬を塗って作られます。

陶器でありながら火にかけることができるのが土鍋の特徴で、土から作られているため細かな穴がたくさんあります。
このためゆっくり熱が伝わり、火を止めた後も蓄熱性に優れています

陶器に有名な産地や違いがあるように、土鍋も産地ごとに特徴があります。

萬古焼

三重県四日市市の萬古焼(万古焼、ばんこやき)は、ペタライトというリチウム鉱石を配合しており硬くて丈夫なのが特徴です。

電子レンジ・炭火による空焚き・直火に耐えることから特許を取得しています。

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銀峯陶器 萬古焼 銀峯 菊花 土鍋 6号 1人用 瑠璃釉 96061

伊賀焼

三重県伊賀市の伊賀焼は長谷園という窯元が有名どころ。

比較的白い陶土に窯変(窯で焼いたときの変化)が大きく表情豊かな点が特徴です。
土質は比較的荒く、そのため蓄熱性が高くなっています。

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長谷園 伊賀土鍋 アメ釉 中(2-4人用) 直火対応 NNM-32

信楽焼

タヌキの置物で有名な滋賀県甲賀氏の信楽焼(しがらきやき)は、赤みがかった陶土で窯変は少なく、耐火性があります。

荒い土質のため厚みがあり、サイズは大きめです。

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信楽焼 へちもん 土鍋 8号 2-3人用 鉄赤

土鍋はいずれも、琵琶湖が昔あった場所で取れる有機物が堆積してできた土を使用しており、有機物の発泡により細かな穴があいています。

土鍋は購入してからは細かい穴をふさぐための「目止め」という作業をすると長持ちします。

使った後は完全に乾燥させてからしまうなど、取扱いに少し気をつかいますが、きちんとお手入れして丁寧に扱えば、長く使うことができます。

近年はIH対応のセラミック製土鍋もあり、扱いやすくデザインも現代のインテリアに合ったものが出ていますよ。

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パール金属 土鍋 9号 IH対応 L-1846

土鍋や鋳物ホーロー鍋に合わせやすい料理は?

土鍋と鋳物ホーロー鍋の素材の違いや特徴についてお伝えしましたが、それぞれに合わせやすい料理が異なります。

ポイントとなるのが熱の伝わり具合、油やスパイスが使えるかどうかです。

鋳物ホーロー鍋に合わせやすい料理

鋳物ホーロー鍋は焦げつきにくいため、無水料理や、焼いてから煮るということが可能です。すき焼き豚の角煮チャーシューなども鍋ひとつで完結します。

ふたに重みがあるので水分が飛んでいきにくく、野菜をたっぷり使っておいしさを凝縮したい時にもおすすめです。
例えば、22cmの鍋なら無水カレー3~4人分ができます。

さらに、IH、ガスどちらも使えるのは鋳物ホーロー鍋の長所といえますね。

オーブンに入れることもできるため、例えば14~16cmの鋳物ホーロー鍋は、オニオングラタンスープシチューポットパイなどの手の込んだ料理を一人分作るのにも向いています。

鋳物ホーロー鍋は鉄のため熱伝導率がよく、煮物なども形を保ったまま比較的短時間で中まで火を通すことができるでしょう。

油に強いため揚げ物もでき、14cmほどの小さい鋳物鍋ならアヒージョや、お弁当のおかずなど少量揚げたいときにも便利ですね。

このように鋳物ホーロー鍋は多用途に使えますが、一方で土鍋は油を使った料理や匂いが強い料理には向きません。
ですが、土鍋にも鋳物ホーロー鍋に負けないほどの魅力があるんですよ。

土鍋に合わせやすい料理

土鍋は、じっくりと火を通したいときや優しい味の和食におすすめです。薄味でも素材の良さを引き出してくれます。

土鍋の最大の特徴はなんといっても、土でできていて小さな穴がたくさんあること。この穴が熱を蓄えて、火を止めた後も温かさが持続します。

また、土鍋は深さが浅いものが多いため水分の蒸発が早いです。

これらの特徴から、肉じゃがぶり大根煮豆などの味染みをよくしたい料理や、そのまま食卓に出す料理に向いています。

数人で囲む鍋料理おでんなどは、やはり土鍋を使うとぐっと雰囲気が出ますよね。湯豆腐も短時間でできるのでおすすめです。

土鍋は目止めをすると割れにくく長く使えます。最初に使う時はおかゆを作るとよいと言われています。小さな穴をふさいで液が底までしみないようにして、割れやすくなるのを防ぎます。

このような小さな穴があることから、土鍋は匂いがつきやすいので、カレーなどスパイスを使った料理は避けてくださいね

鍋のサイズについては後述しますが、土鍋は深さについても様々です。

浅型の土鍋は、鍋料理にしたときに特に見栄えが良く、取り出しやすいため数人で囲む鍋料理に適しています。

深型の土鍋は大きい具材も入るのでたっぷりの鍋料理のほか、おでん筑前煮などのかさばる根菜類が入った煮物にも重宝しますよ。より深い炊飯用の土鍋もあります。

土鍋や鋳物ホーロー鍋でご飯を炊きたい時は

土鍋や鋳物ホーロー鍋でご飯を炊くと、ふっくらつやつやとして美味しくなりますよね。

鋳物ホーロー鍋でご飯を炊くと、炊き立てのおいしさに感動しますが、冷めるとすぐに硬くなるので炊き立てを食べるのがおすすめです。

土鍋はご飯を炊くときに比較的時間がかかりますが、炊飯後はゆっくり時間をかけて冷めるので、時間が経ってからも柔らかさが続きます

土鍋と鋳物ホーロー鍋のそれぞれの良さがありますので、シーンによって使い分けてみてくださいね。

鍋のサイズとおすすめの料理一覧表

土鍋や鋳物ホーロー鍋のサイズに合わせたおすすめ料理とご飯を炊く目安量を、表にまとめてみました。

土鍋のサイズは号数で表し、号数とはもともと寸で表していたサイズで、1号=1寸=約3.3cmです。
土鍋にもよるので必ずしも一致するわけではないですが、サイズ選びの参考にしてみてください。

土鍋サイズ土鍋におすすめの料理鋳物ホーロー鍋サイズ鋳物におすすめの料理ご飯
5号(1人用)おかゆ、ひとり鍋、煮込みうどん14~16cmオニオングラタンスープ、シチューポットパイ1~1.5合
6号(1~2人用)煮物、汁物、スープ18cmスープ、リゾット、ラタトゥイユ、ケーキ1~2合
7号(2~3人用)肉じゃが、炊き込ご飯20cm豚の角煮、サフランライス2~3合
8号(3~4人用)3~4人の鍋料理、おでん、ぶり大根、煮豆22cmカレー、シチュー、煮込みハンバーグ3~4合
9号(4~5人用)大勢で囲む鍋料理、おでん、筑前煮24cmローストビーフ、ポトフ4~5合

まとめ

ストウブ鍋、ル・クルーゼ、バーミキュラなどの鋳物ホーロー鍋は多用途で使いやすく、油を使用した洋風の料理やスパイスを使った調理も可能です。

比較的焦げつきに強く熱伝導率が高いため、焼いてから煮る料理・揚げ物・無水調理・煮崩れさせたくない煮物に向いています。

一方、土鍋は素朴な温かみや和食の良さが引き出せます。熱がじっくり伝わり冷めにくく、味染みをよくしたい料理や保温調理に向いています。

産地によって特色があり表情がそれぞれ違うのも魅力のひとつ。
長く使うためにはお手入れが必要ですが、その分愛着もわきます。

鍋の種類やサイズによって作りやすい料理が異なりますので、鍋選びに迷った時は作りたいメニューや人数に合わせて決めてみてくださいね。