こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。
今年も残すところあとわずか。年末は連日のイベントや忘年会で暴飲暴食が続いていたり、寒さが続いて体の調子が優れなかったりと、胃腸の消化機能が弱まっている方も多いのではないでしょうか。
今年中に胃腸をリセット!ということで、今回は、消化をサポートしてくれる優秀食材「大根」について、その働きとおすすめの食べ方・調理法などについて解説します。
ダイコンの消化酵素と辛味成分が消化をサポート
大根が消化をサポートする理由には、大きく分けて酵素と辛み成分の二つが関与します。
酵素
大根の根の部分には、でんぷんの消化酵素であるアミラーゼ(ジアスターゼ)が多く含まれるほか、たんぱく質や脂質を分解するプロテアーゼやリパーゼなど、胃腸の働きを助けるいくつもの酵素が含まれています。
酵素は加熱によってその働きが失われてしまうため、生のまま食べる料理がおすすめです。また、すりおろしたり細かく切るなど細胞をできるだけ壊す方が、酵素はより働きやすくなります。
でんぷんの多い食品や油っこい料理(食材)に大根おろしを合わせる(できれば両者を混ぜ合わせる)のがポイント。
例えば・・・おろし蕎麦やおろしうどん、焼き魚や天ぷらに添える大根おろし、唐揚げのみぞれ和え、などなど。
特に油っこいものに大根おろしを組み合わせると、さっぱり感が増しそれだけでも食べやすくなりますよね。熱々の食材に合わせると大根の酵素は失活してしまうので、少し冷ましてから合わせましょう。
辛み成分( イソチオシアネート)
大根の辛味成分であるイソチオシアネートには、胃液の分泌を高めて消化を促進する働きがあることが知られています。
イソチオシアネートは大根の細胞が壊れることで生成するので、すりおろしたり細かく切断することが必要になります。イソチオシアネートは揮発性があり、放っておくとその量は減少してしまうので、食べる直前に切断・すりおろすのがポイント。
食べるまで時間がかかりそうな時にはラップで包んでおきましょう。
イソチオシアネートは根の先端部分に多く含まれているので、大根おろし・細切りサラダなどにぜひ先端部分を。
消化をサポートする大根の食べ方まとめ
寒い時期は大根の煮物やおでんなどの料理も美味しいのですが、胃腸を休めるには大根に含まれる成分の力を積極的に借りたいところ。
大根の消化酵素が働きやすく、イソチオシアネートが生成するのに最も適している食べ方は、やはり大根をすりおろすことです。
特に根の先端部分は大根おろしにして、他の食材と合わせながら召し上がってみてくださいね!
胃腸の調子を整えて、元気に新年を迎えましょう♪