レシピを見ないで料理が作れる!基本の「調味パーセント」で味付け上手に

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こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。

「レシピを見なくても上手に料理が作れるようになりたいなぁ…」そう思ったことはありませんか?

レシピの分量通りに料理する時には問題ないものの、目分量で味を付けるとしょっぱすぎる、あるいは味が薄すぎるということありますよね。目の前にある食材に対してどのくらいの調味料を使えば良いのか、判断に困ることは多いと思います。

でもそんな悩みは、味付けの基本を知れば解決できます。「調味パーセント」を使いこなすと、どんな料理も美味しい味付けになるのです。

この記事では、レシピを見ずに上手に味付けする方法を丁寧に解説していきたいと思います。

 

ステップ① 必要な塩分量や糖分量を見積もる

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食塩の水溶液を食塩だけの味で口に入れたときに、最も適度と感じる濃度は1%前後です。人体の体液濃度(ナトリウムとして約0.9%)とのなじみがよい濃度だからと言われています。

水溶液だけでなく、食材の重さに対する塩分濃度もおよそ1%前後を適度と感じます。

塩分や糖分の量を、料理の材料の重量に対するパーセントで表したものを調味パーセントと言います。

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表を見ると分かるように、塩分の調味パーセントは1%を基準にして、汁物のように液体状・単品で飲むものは少し薄めの0.8%前後、焼き物や煮物などのように、ご飯と一緒に食べるようなおかずは少し濃いめの1.2~1.5%を適度と感じます。

塩分に比べて糖分濃度はある程度幅があります。好み(嗜好性)の要素も大きいからでしょう。

 

「しょっぱすぎる」「薄すぎる」など料理の失敗につながりやすいのは適度な範囲が狭い塩分濃度の方ですが、塩分の「調味パーセント」=1%を覚えておけば程よい味付けにすることができます。

 

調味パーセントの使いこなし例

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挽肉200g+豆腐半丁(150g)を混ぜた豆腐ハンバーグの味付けに適度な塩分量は?


(200+150)g×1%=3.5gの塩分

 

ステップ②塩分量・糖分量→調味料の量へ換算

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必要な塩分量が計算できたら、今度は各調味料をどれくらい使ったらその塩分になるのか考えます。

もちろん塩は100%塩分で、比重も水と同じ1。なので大さじ1杯(15cc)の塩分量は15gです。醤油は塩分濃度が17%で、比重は1.2のため、大さじ1杯(15cc)の塩分量は3gとなります。

同様にして、比重と塩分濃度を加味して各調味料大さじ1杯の塩分・糖分量
を計算すると・・・
注)以下の括弧内は塩分/糖分濃度,比重

大さじ1杯の塩分量

  • 塩(100%, 1)・・・15g
  • 醤油(17%, 1.2)・・・3g
  • 味噌(12%, 1.2)・・・2.2g
  • ウスターソース(8%, 1.2)・・・1.4g
  • トマトケチャップ(3%, 1)・・・0.5g
  • マヨネーズ(2%, 0.8)・・・0.2g
  • 有塩バター(2%, 0.8)・・・0.2g

 

大さじ1杯の糖分量

  • 上白糖(100%, 0.6)・・・9g
  • ざらめ糖(100%, 1)・・・15g
  • グラニュー糖(100%, 0.8)・・・12g
  • みりん(33%, 1.2)・・・6g

 

例えば、350gの挽肉に1%の塩味を付けたいと思ったら、塩3.5g必要なので、醤油大さじ1(3g塩分)と塩ひとつまみ(0.5g塩分)でおよそちょうど良いということになります。

各調味料の大さじ1(あるいは小さじ1)に含まれる塩分・糖分量を覚えておけば、あとはその調味料をどれくらい(何杯)入れれば良いか計算するだけです。

ただ、それを一段階計算するのは手間、という方もいるかもしれません。

 

もっと簡単に必要な量を知りたい・・・という方のために、さらに計算が楽になる「換算値」を作ってみました。この換算値は調味料の比重や塩分濃度などが加味された値で、必要な塩分・糖分量とかけ合わせると、何cc調味料が必要かすぐに出てきます。

まずは換算値をご紹介します。

 

これだけ覚えればOK!換算値

  • 塩・・・1
  • 醤油・・・5
  • 味噌・・・7
  • ウスターソース・・・11
  • トマトケチャップ・・・30
  • 上白糖・・・1.5
  • みりん・・・2.5

使い方は、次の通りです。

 

例①

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肉300gに 1%塩分の味を 醤油で付けたい。


300gの1%は3g(必要な塩分量)なので、醤油の換算値5を掛ける。
3×5=15ml
15ml(大さじ1杯)の醤油が必要。

 

例②

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魚300gに濃いめの2%塩分の味を味噌で付け、6%糖分の味をみりんで付けたい。

①300gの2%は6g(必要な塩分量)なので、味噌の換算値7を掛ける。
6×7=42ml
42ml(大さじ3杯弱)の味噌が必要。

②300gの6%は18g(必要な糖分量)なので、みりんの換算値2.5を掛ける。
18×2.5=45ml
45ml(大さじ3杯)のみりんが必要。

 

この換算値は、覚えやすい整数とやさしい掛け算でダイレクトに調味料の量が分かるのでおすすめです。

ちなみに、大さじ1杯の塩分量などは調べれば出てくると思いますが、今回紹介した換算値は個人的に使っている手法なので、ぜひこの機会にメモしておいてくださいね。

 

あえて重量(g)ではなく容積(ml,cc)で計算結果が出るようにしたのは、都度はかりで重量を測定するのは手間ですが、大さじスプーンであれば簡単に計量できるためです。

目分量では味付けが上手くいかない、という方はまずは大さじ・小さじスプーンの活用から始めてみてくださいね。

 

まとめ

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レシピを見ず、目の前にある食材にちょうど良く味付けるには、たった2ステップで実現します。

ステップ①
調味料パーセントで必要な塩分・糖分量を計算する。塩は基本的に1%が適度。1%を守れば「しょっぱすぎ」「味薄すぎ」は避けられます。計算は調味パーセントの表を見ながらでもOKです。

ステップ②
ステップ①で計算された必要な塩分・糖分量に各調味料の換算値を掛け合わせ、必要な調味料の量(容積:ml, cc)を計算する。

換算値を使わずに、各調味料大さじ1に含まれる塩分量を覚えても良いです。好きな方を使ってください。

 

この味付けテクニックは様々なメニューに応用することができ、身につければ臨機応変に美味しい料理が作れるようになります。

ぜひ今後の料理生活に役立ててみてください!

 

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