こんにちは、管理栄養士の廣野沙織(ひろのさおり)です。
家庭料理の定番ハンバーグは、肉汁たっぷりでジューシーなものが理想的ですよね。
ジューシーなハンバーグを作る上で、とっても大切なのが捏ねの作業。
レシピに「よく捏ねる」などと書いてあっても、どれくらい捏ねれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ハンバーグの捏ねるときの目安や、捏ねる意味、また、関連する注意点などを解説します。
ジューシーなハンバーグを作りたい方、必見です!
ハンバーグのタネはどれくらい捏ねる?目安は?
ハンバーグの肉ダネを作るには、まず挽肉に塩を入れてよく捏ねます。
個人的にはこの時、挽肉と塩以外の具材(玉ねぎ、パン粉、卵など)は入れないことをおすすめします。(レシピによっては異なる作り方かもしれませんが)
肉と塩以外の食材は、捏ねることによる肉の変化を邪魔してしまうものが多いからです。
捏ね続けると、徐々に粘り気が出て、白っぽくなります。
捏ねる時間は7~8分程度を目安にし、粘り気と弾力がしっかりと出ていることを確認します。
このような状態です。
これで肉汁を閉じ込める肉ダネのベースが完成です。
後は他の具材を加えて混ぜ合わせます。ここでは具材が入ったタネを均一にすることが目的なので、先ほどのようによく捏ねる必要はありません。
ハンバーグのタネを捏ねる意味や目的
ではなぜジューシーなハンバーグを作るのに捏ねが重要なのか、簡単にその理由を説明します。
ひき肉の中に含まれる「アクチン」と「ミオシン」と呼ばれるたんぱく質は、塩を加えて捏ねることで、互いに結合し、繊維状の「アクトミオシン」に変化します。
その結果、粘り気が出て結着性が増加します。
結着性のあるタネは、加熱するとたんぱく質ネットワーク構造内に水分や油が取り囲まれたまま固まります。
→肉汁が閉じ込められるということです。
※イメージ図
反対に、タネをしっかり捏ねないと、加熱の途中でバラバラになったり、肉汁が間から外に出てきてしまいます。
食べた時の食感もポロポロしていて、あまり好ましくありません。
なので、肉汁を閉じ込めるためには、肉に塩を加えて捏ねることがとても大切です。
関連する注意点
捏ねた後は必ずタネを冷やす
粘りが出るまでよく捏ねると、手から伝わった熱で肉ダネの温度が上がります。
すると肉の脂が融けて、焼いた時に外に逃げ出しやすく、また全体が崩れやすくもなります。
これを防ぐために、捏ねた後、楕円形に整えたら、皿にのせてラップをし冷蔵庫で1時間程度休ませましょう。
すると脂が再度固まり、肉ダネも落ち着き、焼きやすくなります。
塩を入れ忘れない
肉だけ捏ねてもタネの結着性はあまり増しません。たんぱく質ネットワークを作るためには、【生肉+塩+捏ね】が必要です。
捏ねる際には塩を忘れずに入れましょう。
具材の大きさにも注意
玉ねぎなどの野菜を具材として入れることが多いと思いますが、具材が大きすぎると、その部分から崩壊したり、肉汁が漏れ出してしまいます。
ハンバーグの中に入れる具材は、適度に小さめのみじん切りにしましょう。(細かく切りすぎると水っぽくなるので注意してください)
以上、ハンバーグをどれくらい捏ねたら良いのか、また、捏ねる意味や関連する注意点を解説しました。
「捏ね」はジューシーなハンバーグ作りには欠かせない操作です。
ぜひ捏ねをマスターして、肉汁たっぷりの美味しいハンバーグを作ってみてください。
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