こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
家庭料理の定番ハンバーグは、肉汁たっぷりでジューシーなものが理想的ですよね。
ジューシーなハンバーグを作る上で、とても大切なのが捏ねの作業。
レシピに「よく捏ねる」などと書いてあっても、どれくらい捏ねれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ハンバーグの捏ねるときの目安や、捏ねる意味、関連する注意点などを解説します。
ハンバーグのタネはどれくらい捏ねる?目安は?
ハンバーグの肉ダネを作るには、まず挽肉に塩を入れてよく捏ねます。
個人的にはこの時、挽肉と塩以外の具材(玉ねぎ、パン粉、卵など)は入れないことをおすすめします。(ただし、色々な作り方のレシピがあると思います)
その理由は、肉と塩以外の食材は、捏ねることによる肉の変化を邪魔してしまうものが多いからです。
捏ね続けると、徐々に粘り気が出て、白っぽくなります。
捏ねる時間は5分程度を目安にして、粘り気と弾力がしっかりと出ていることを確認します。
このような状態です。
これで肉汁を閉じ込める肉ダネのベースが完成です。
後は他の具材を加えて混ぜ合わせます。ここでは具材が入ったタネを均一にすることが目的なので、先ほどのようによく捏ねる必要はありません。
ハンバーグのタネを捏ねる意味や目的
では、どうしてジューシーなハンバーグを作るのに捏ねが大切なのか、簡単に理由を説明します。
ひき肉の中に含まれる「アクチン」と「ミオシン」と呼ばれるたんぱく質は、塩を加えて捏ねることで、お互いに結合し、繊維状の「アクトミオシン」に変化します。
その結果、たんぱく質のネットワーク構造ができ、状態としては粘り気が出て、結着性が増します。
その状態のタネを加熱すると、たんぱく質のネットワーク構造内に、水分や油が取り囲まれたまま固まります。
→肉汁が閉じ込められるということです。
※イメージ図
反対に、タネをしっかり捏ねないと、加熱の途中でバラバラになったり、肉汁が間から外に出てきてしまいます。
食べた時の食感もポロポロしていて、あまり好ましくありません。
なので、肉汁を閉じ込めるためには、肉に塩を加えて捏ねることがとても大切なのです。
関連する注意点
捏ねた後は必ずタネを冷やす
粘りが出るまでよく捏ねると、手から伝わった熱で肉ダネの温度が上がります。
すると肉の脂がとけて、焼いた時に外に流れやすくなり、またハンバーグ全体が崩れやすくもなります。
これを防ぐために、捏ねたあと形を整えたら、皿にのせてラップをし、冷蔵庫で1時間程度休ませましょう。
すると脂がふたたび固まり、肉ダネも落ち着き、焼きやすくなります。
塩を入れ忘れない
肉だけ捏ねてもタネの結着性はあまり増しません。
たんぱく質ネットワークを作るためには、塩の存在が大切です。【生肉+塩+捏ね】と覚えておきましょう。
捏ねる際には塩を忘れずに入れてくださいね。
具材の大きさにも注意
ハンバーグには、玉ねぎなどの野菜を具材として入れることが多いと思いますが、具材が大きすぎると、その部分から崩れてしまったり、肉汁が漏れ出してしまいます。
ハンバーグの中に入れる具材は、大きすぎないように、みじん切りにしましょう。(ただし、細かく切りすぎると水っぽくなるので注意してください)
「捏ね」はジューシーなハンバーグ作りには欠かせない調理操作です。
ぜひ捏ねをマスターして、肉汁たっぷりの美味しいハンバーグを作ってみてくださいね!