こんにちは、菅理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
初夏から秋にかけては気温や湿度が高くなり、食中毒が発生しやすい時期と言われています。
家で作った料理が原因で食中毒を起こさないように、基本の食中毒対策を知っておきましょう。
また、抗菌作用のある食べ物の活用など、少しの工夫で食中毒を予防したり、食材の日持ちを良くする方法についても、あわせてご紹介します。
食中毒とは
食中毒は、食中毒のもととなる細菌やウイルスがついた食べ物を食べることによって、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの中毒症状が出る病気のことです。
気温が高くなる夏場は、細菌が原因となって起こる「細菌性食中毒」が多く、一方、冬場はノロウイルスのような「ウイルス性食中毒」が多くなります。
- 細菌性食中毒:サルモネラ菌・ブドウ球菌・カンピロバクター・腸炎ビブリオなど
- ウイルス性食中毒:ノロウイルス・ロタウイルスなど
- 自然毒食中毒:毒キノコ・じゃがいもの芽・青梅・フグなどの毒魚・貝毒など
- 化学物質による食中毒:ヒ素や農薬など有害物質の混入など
- その他の食虫毒:寄生虫による中毒など
食中毒予防の3原則
家で料理する際には、「食中毒予防の3原則」を心がけましょう。
1、菌を付けない
食材、調理する人の手、調理器具、食器などを清潔にして、食中毒の原因となる菌を食べ物に付けないようにしましょう。
対策例
- 手洗いを行う
- 調理器具のアルコール消毒を行う
- ラップ越しにおにぎりを握る
- 使い捨て手袋を使用する
- 肉や魚と野菜のまな板を分ける
2、菌を増やさない
食中毒の原因となる細菌は10~50℃で増殖しやすくなります。この温度に長時間置かないようにしましょう。
また、水分が多いほど、繫殖しやすくなります。
対策例
- 作ったものを常温に置いておかない
- 前日調理をせず、早めに食べる
- 料理を保存する際は急速に冷却し、冷蔵庫や冷凍庫で保管する
- 冷蔵庫に料理を詰め込みすぎない
- 汁気の少ないおかずにする
- 料理が温かいうちに蓋をしない(水滴がつくため)
- 味付けを濃くする(「結合水」が増え、細菌が自由に使える水分が減る)
3、菌をやっつける
細菌やウイルスを殺菌するためには十分に加熱することが大切です。
対策例
- 中心部を75℃で1分以上加熱する(特に肉・魚類)
- 調理器具は、洗剤でよく洗い、熱湯をかけて殺菌する
- 台所用殺菌剤を使用する
抗菌作用のある食べ物の活用もおすすめ
食中毒予防の3原則のほか、抗菌作用のある食べ物を活用することも効果的です。
梅干し
梅干しに含まれるクエン酸が食中毒予防や腐敗防止にも役立ちます。ごはんにのせるだけでなく、刻んで混ぜ込む方が殺菌効果の範囲が広がります。
しそ(大葉)
香りの元であるペリルアルデヒドには強い防腐作用があります。お刺身に添えたり、おにぎりを巻く、お弁当の仕切り代わりに。
わさび
わさびの辛み成分であるアリルイソチオシネートには、抗菌作用があります。傷みやすい生魚はわさび和えにするのもおすすめです。
しょうが
生の生姜に多く含まれるジンゲロールは強い殺菌・抗菌があります。千切りや薄切りよりも、すりおろして使うことで効果が高まります。
カレー粉
カレー粉に含まれる香辛料・スパイス類には、抗菌作用・防腐効果があります。カレー粉を使った炒め物や、ひき肉に加えてカレー風味の肉団子やハンバーグもおすすめです。
レモン
レモンに含まれるクエン酸には抗菌効果があります。レモン果汁を使った味付けにしたり、レモンの薄切りを、お弁当や作り置きのおかずにのせると日持ちが良くなります。
正しい食中毒対策をして、夏場を乗り越えよう
気温が高くなる時期は、衛生面に特に気を付けながら、食中毒の対策・予防をしていきましょう。
食中毒予防の3原則、菌を付けない・増やさない・やっつける を心がけ、抗菌作用のある食べ物の活用についても意識してみてください。