こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
10年前の 3月11日、東日本大震災がありました。
地震などの自然災害はいつ起こるか分からないため、日ごろから備えたり、シミュレーションしておくことが大切ですね。
震災などで食糧が手に入りにくくなった時には、缶詰やレトルトなどのストック食材が大切な栄養源として役立ちます。
日保ちもするので、普段から十分に常備しておくと安心ですよ。
特にさば缶、ツナ缶や、ミックスビーンズなどは貴重なたんぱく質源です。
また、コーンやマッシュルームなど、写真のようにレトルトになって売られているものは賞味期限も長く、いざという時に活用することができます。
ライフラインが止まったときには、カセットコンロを使って調理をすることができます。
特に、覚えておくと良いのが「ポリ袋料理」。
ポリ袋料理とは、ポリ袋(食品用のビニール袋)に食材を入れ、使って行う鍋に水を入れ、袋のまま鍋で湯せんする調理方法です。
ポリ袋料理のメリットは、
- 最低限の水で調理ができる(湯せんに使った水は再利用でき、洗い物も少ない)
- 袋ごとに違う料理を入れ、一度に複数の品数を作ることができる→ガス、水の節約になる。
- 調理方法がシンプルで簡単。
などがあげられます。
今回は、ポリ袋料理の基本的な方法や、コツ、注意点などを、レシピと併せてご紹介します。
【レシピ】ポリ袋料理で ツナ缶カレーライス(ごはん・カレー同時調理)
注意点
①ポリ袋は、耐熱温度の高い、「高密度ポリエチレン」のものを使用します。
表示をよく確認してください。
②破けないように、ポリ袋は二重にして使うのがおすすめです。
③鍋底にポリ袋が直接触れると、ビニールが溶けてしまう恐れがあるため、必ず鍋に皿を敷いて使用します。
鍋より一回り小さい皿をご用意ください。
材料(2人分)
<ごはん>
- 米 1合(180cc)
- 水 180cc
<カレー>
- ツナ(缶詰、オイルタイプがおすすめ) 1缶
- にんじん 3cm(50g)
- 玉ねぎ 1/4個(50g)
- マッシュルーム(水煮、スライス)1袋(50g)
- 水 160cc
- カレールウ 2かけ
- 醤油 小さじ1/2(※短時間の煮込みでコクを出すための隠し味です。なくてもOK)
作り方
①
ポリ袋に米1合と水180ccを入れます。(体積で1:1と覚えておくと便利です)
米がしっかり水に浸るようにして、なるべく空気を抜きながらポリ袋をねじり上げ、袋の口に近い部分で結びます。
このまま30分以上浸漬させます。
②
にんじんは薄いいちょう切りに、玉ねぎは薄切りにします。
食材は火が通りやすいよう、小さく切るか、薄く切ってください。
日ごろから飲み終わった牛乳パックは取っておくと、まな板代わりになり、洗い物が減らせます。
補足:カレーにはじゃがいもを入れたいところですが、じゃがいもは洗うのに水をたくさん必要とするため、震災時にはあまりおすすめできません。
ポリ袋に、<カレー>の材料を全て入れ、米と同じようにポリ袋の口を縛ります。
③
鍋に一回り小さい皿を入れ、その上に①、②をのせます。
食材が浸るくらいまで、水を注ぎます。
この湯せんの水は、再利用したものや雨水など、綺麗でなくても大丈夫です。
ポリ袋の口の部分が鍋肌にふれないように注意しながら、蓋をして火にかけます。沸騰したら弱火にし、30分ほど加熱します。
※ポリ袋が浮いてしまって食材がお湯に浸っていない場合は、上からお皿をのせるなどして、沈めてください。
30分ほど加熱をしたら、火を消し、10分ほどそのまま置いておきます。
ごはんはふっくら炊けて、カレーは具材がやわらかく煮こまれています。
④
カレーは、外からタオルを被せて、やさしく揉みながら、全体をムラなく混ぜ合わせます。
炊き上がったご飯は、時間が経たないうちに混ぜておきます。
湯せん調理はごはんがふっくらと炊き上がり、とても美味しいですよ!
⑤
お皿に盛り付けるときには、ラップを敷いてから料理をよそうのがおすすめです。
片づけるときにはラップを捨てるだけなので、洗い物を減らすことができます。
また、コンビニなどでもらえる使い捨てのスプーンがいくつか常備してあると便利です。
ポリ袋料理で作る、ツナ缶カレーライスレシピを紹介しました。
非常に役立つ食材、缶詰のツナ、レトルトのマッシュルーム、常温保存ができるにんじんやたまねぎを活用しました。
ごはんとおかずが同時にでき、なおかつ水の使用量が少ないポリ袋料理は、震災時にとても重宝します。
また、牛乳パックをまな板代わりにしたり、お皿にラップを敷いてからよそうことで、なるべく洗い物が減らせる工夫があることもぜひ覚えておいてくださいね!
ぜひこの機会に、震災に備えてストック食材を用意しておいたり、実際にガスコンロでポリ袋料理を試してみることをおすすめします。