こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。
一時よりは野菜が安くなった気がしますが、それでも少し高いなぁと感じてしまう今日このごろ。それでもなるべく野菜は食事に取り入れるようにしています。
今回は野菜をテーマにお話したいと思います。
野菜はどれくらい摂れているか
厚生労働省が推奨している野菜摂取量は1日に350g以上です。
しかし実際の全国平均野菜摂取量は…
- 成人男性 284g/日
- 成人女性 270g/日
(平成28年 国民健康・栄養調査より)
目標の350gには届いていません。
興味深いのが、男女ともに摂取量が多い都道府県1位は長野県でした。
長野県の平均摂取量は、男性352g、女性335gと、目標の350gを超えるもしくはそれに近い結果。素晴らしいですね!
驚くことに、それらの摂取量は最下位の都道府県と100g以上も差があります。
野菜を摂取するべき理由
野菜を摂取するべき理由はいくつかありますが、「食物繊維」と「ビタミン・ミネラル」が豊富に摂れるという点が大切です。
食物繊維は、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあり、血液中のコレステロール濃度の低下や、血糖値上昇の抑制などの生理機能が明らかになっています。これらは結果的に生活習慣病の予防につながります。
また、食物繊維には、腸内環境を整えたり、便秘を予防・改善する効果があります。
また、ビタミンに関しては、ビタミンA、C、葉酸が特に野菜から豊富に摂れ、ミネラルについてはカルシウムや鉄などが摂取できます。いずれも体の調子を整える上で欠かせない栄養素です。
以上のように、野菜を摂取することで、体の調子が整い、生活習慣病の予防にもつながるため、短期的にも長期的にも野菜摂取は大切です。
どのようにして野菜を食時に取り入れると良いか
そこでポイントになってくるのが、どのようにして野菜を普段の食事に取り入れていくと良いか。
よく「野菜は生で食べたほうがいい?加熱したほうがいい?」という質問を頂くことがありますが、これについては、どちらにもメリット・デメリットがあると思います。
生野菜で食べるメリットは、栄養成分の損失が少ないこと。茹でたりしてしまうとどうしてもお湯に成分が流れてしまいます。それに、高温によって分解し、はたらき(生理活性)を失う栄養素もあります。
一方で加熱するメリットとしては、野菜のかさが減り、たくさんの量を食べることができます。
加えて、ニンジンに多く含まれるビタミンAのような脂溶性ビタミンは、油炒めすることで吸収率が高まることが知られており、これも加熱調理するメリットといえます。
「生・加熱のどちらが良いか」ということはあまり考えず、その時々で野菜を取り入れる工夫をすると良いと思います。
たとえば、時間のない朝は生サラダとして。お昼にお弁当として持っていくときは加熱調理して、などなど。
ご自身の健康のためにも、ぜひ野菜の摂取について意識してみてください。