【魚の臭み取り方法】下処理や調理の工夫で魚料理を美味しく

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こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。

魚を調理するとき、魚の生臭さが気になることはありませんか?
せっかくの魚料理、生臭いにおいが残ってしまうのは避けたいですよね。

美味しい魚料理を作るためには、【魚の臭み取り】を行うことが大切です。
簡単な下処理を行ったり、調理の工程で一工夫するだけで、魚の生臭さを抑えることができるんですよ。

今回は、魚の臭み取り方法についてご紹介します。

魚の生臭さの原因

魚の生臭さの原因は、魚の死後に微生物によって生成される「トリメチルアミン」や「ジメチルアミン」などの物質です。

これらの物質は、

  • 塩基性(アルカリ性)
  • 水に溶けやすい
  • 揮発性がある(空気中に飛びやすい)

    といった特徴があるため、これらを逆手にとることで、魚の臭みを取り除くことができます。

    魚の臭み取り方法

    それでは、魚の臭み取りの方法をご紹介します。
    下に記載する方法は、ひとつひとつ単独でも効果がありますが、組み合わせることでさらに臭みを抑えることができます。

    ① 塩をふる

    魚に塩をふってしばらく置くと、浸透圧の影響で魚の水分が外に出てきます。
    この時、水分と一緒に臭み成分も一緒に出てくるため、水分を取り除くことで、においも一緒に除去することができます。

    塩をふって15~30分程度置いておき、その後出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。

    ② 水で洗う・お湯を通す

    臭いの原因物質は水に溶けやすい特徴があるため、水で洗うという方法も効果的です。
    特に煮魚などにする場合は、まずは魚を洗ってから調理に使用すると良いでしょう。

    また、お湯を使った「霜降り」という下処理方法もおすすめです。
    鍋に沸かしたお湯にさっとくぐらせたり、お湯を魚にかけることで、生臭さを取り除くことができます。

    ①の塩をふる下処理もあわせて行うとより丁寧です。その場合は、①→②の順で行いましょう。

    ③ 酸を添加する

    酢、レモン、すだち、梅干しなどに含まれる有機酸は、塩基性(アルカリ性)の魚の原因物質を中和することで臭いを弱めてくれます。

    下処理の段階で添加したり、調理の味付けとして酸性の食品を利用することもおすすめです。

    ④味噌や牛乳、ヨーグルトのコロイド粒子を活用

    味噌や牛乳、ヨーグルトなどに含まれるたんぱく質はコロイド粒子(直径が1 nm~1 μm)で、臭いを吸着する特性があります。

    味噌煮にしたり、「ヨーグルト味噌ダレ」のような調味液に漬けることで魚の臭みが抑えられます。

    また、魚のムニエルなど洋風の料理は、魚を牛乳に浸してしばらく置いておくといった下処理の方法がおすすめです。

    ⑤ 香味野菜や香辛料を使う

    玉ねぎやねぎなどの香味野菜、生姜やフェンネルのような香辛料には、魚の生臭いにおいをカバー(マスキング)する効果があります。

    すりおろした香味野菜や香辛料を下味にしてから焼く、香味野菜や香辛料と一緒に煮込む、などの方法で気になる生臭さをカバーすることができます。

    ⑥発酵調味料を使う

    酒、醤油、みりん、味噌などの発酵調味料にも魚の生臭さを抑える効果があります。
    下味としてこれらの調味料に漬けたり、調理の味付けとして活用するのがおすすめです。

    ④で紹介したように、味噌にはコロイド粒子として臭いを吸着する作用も期待できます。

    魚の臭み取りで料理を美味しく

    魚の臭み取りの方法をご紹介しました。どれもそれほど大きな手間はかかりませんが、その効果は歴然です。

    美味しい魚料理のための一工夫、ぜひ試してみてください。

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