こんにちは、管理栄養士・料理家の廣野沙織(ひろのさおり)です。
秋の味覚、さつまいも。
甘くて美味しいだけでなく、食物繊維やビタミンCなど、栄養豊富な食材です。
そんなさつまいもを調理する際、皮をむいて捨ててしまってはいませんか?
実はさつまいもの皮には栄養がたくさん含まれており、捨ててしまうのはもったいないんです…!
この記事では、さつまいもの皮に多く含まれている栄養素について、また皮ごと美味しく食べられる料理をご紹介します。
さつまいもの皮に豊富な栄養素
ポリフェノール類
さつまいもの皮には、アントシアニン、クロロゲン酸など、ポリフェノール類が豊富に含まれています。
ポリフェノール類には抗酸化作用があり、コレステロールの酸化を防ぐことで健康な血管を維持したり、細胞の酸化を予防し、老化防止に役立つともいわれています。
健康面だけでなく、美容・アンチエイジングでも注目度の高い成分です。
カルシウム
さつまいもにはカルシウムが豊富で、芋類※の中でのカルシウム含有量が最も高いのをご存知でしたか?
そしてそのカルシウムは、実よりも皮の部分に多く含まれています。
カルシウムは多くの日本人が不足している栄養素で、骨や歯の健康には欠かせません。
※こんにゃく、しらたきを除く。
ビタミンC
さつまいもはビタミンCも豊富ですが、これについても皮の部分に多く含まれています。
ビタミンCは体内で様々な役割を担う栄養素ですが、例えば抗酸化作用によって酸化から体を守る、肌や髪の材料であるコラーゲンを生成する、などのはたらきがあります。
食物繊維
さつまいもと聞くと、食物繊維豊富というイメージを思い浮かべる方も多いと思います。
食物繊維は実の部分にも多いものの、皮部分にも豊富です。
さつまいもは不溶性の食物繊維が多く、便のかさを増やし、腸壁を刺激する効果があります。
果物や海藻に多く含まれる水溶性食物繊維とバランスよく摂取することで、便秘改善や予防が期待できます。
さつまいもの皮ごと美味しく食べられる料理
栄養豊富なさつまいもの皮。美味しく食べられるさつまいも料理と、調理のポイントをご紹介します。
ふかし芋・焼き芋
蒸すことでしっとり美味しい「ふかし芋」、甘くて香ばしい「焼きいも」。
どちらもさつまいもの皮ごと食べられる定番メニューですね。
ゆっくりと熱が伝わることで酵素が長時間働き、でんぷんからたくさんの糖が作られ、甘くなります。
そのため、さつまいもの皮ごと大きめに切って、ゆっくり・じっくり加熱するのがおすすめの調理法です。
レンジでふかし芋も作れますが、瞬時に温度が上がるためにあまり甘く仕上がりません。できれば蒸し器での調理を。
さつまいものきんぴら
皮の歯ごたえを活かすには、炒め加熱もおすすめ。
細切りにしてさっと炒めることで、しゃきしゃきとした食感が楽しめます。
また、皮ごと炒めることで、さつまいも内部(実の部分)の栄養素を逃しにくいというメリットがあります。
大学芋
表面のカリッとした食感が特徴的な大学芋は、皮ごと使用することでその美味しさがアップ。
皮ごと食べやすい大きさに切り、油で揚げて密を絡ませるのが基本の作り方です。
さつまいもに含まれる栄養素は、油との相性が良い(油で損失しにくい、あるいは吸収率が高まる)ものも多いので、その点でもおすすめの料理です。
さつまいもご飯
さつまいもご飯は、皮ごと食べるのが苦手な方でも比較的食べやすいメニューです。
さつまいもはお米と一緒に長時間加熱されるので、皮もしっとりとして食べやすくなります。
また、さつまいもは小さめサイズに切るので、一口で食べることができ、皮をかみ切る必要もありません。
皮ごとさつまいもご飯を作ると、黄色と紫のコントラストが鮮やかで、見た目にも美味しそうに仕上がりますよ。
さつまいもは皮ごと食べて栄養を無駄なく!
さつまいもの皮には、たくさんの栄養素が含まれています。中には実の部分よりも多いものも。
これまで皮を捨ててしまっていた方は、皮ごと美味しく食べられる料理を試してみてはいかがでしょうか。
皮ごと調理することで、栄養を無駄なく摂ることができますよ♪
ぜひ参考にしてみてください。