こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。
ダイエットをがんばっているのに足のふくらはぎや顔回りなどがスッキリしない、という経験はありませんか。
脂質やカロリーを控えていてもスッキリしない場合、「むくみ」かもしれません。
むくみの原因は様々ですが、塩分の摂りすぎによるむくみの場合は、減塩や食事バランスを整えることで対策できます。
これからダイエットを始めようと悩んでいる方も、むくみ対策を試してみると意外に簡単にスッキリするかもしれません♪
今回は、肥満と勘違いしやすい「むくみ」対策についてお伝えします。
そのむくみ、塩分の摂りすぎが原因かも?
肥満とむくみの違い
肥満とむくみは混同しやすいですが、厳密には別のものです。
むくみとは、皮膚などに水分がたまった状態のことです。
血液の水分が血管の外に出て、皮膚や皮膚の下の細胞に水分が浸みだしてしまい、その結果体が腫れぼったくなります。
一方で肥満とは、体重が増えるだけでなく体脂肪が必要以上に貯まった状態のことです。
むくみと肥満は別のものですが、むくみが原因で体重が増え、老廃物がうまく排出されず、結果的に肥満につながることもあるでしょう。
むくみの特徴・原因
むくみの特徴と原因について詳しくお伝えします。
むくみの特徴は、
- 手足や体が腫れぼったくなる
- 重力によって水分が下に落ちるため、夕方から夜にかけて足が腫れぼったくなる
- 体内に老廃物や水分が貯まりやすく、体重が増える
- 皮膚を10秒間押すと10秒以上へこみがもどらない
などがあります。
むくみの原因は様々あり、
- 塩分の摂りすぎ
- 同じ姿勢が続く
- 運動不足
- 生理前のホルモン変化
- お酒の飲みすぎ
- 病気によるもの(腎不全・心不全・肝硬変・恒常性機能低下症、その他)
などがあります。
このように、むくみは病気や運動不足が原因のこともありますが、塩分の摂りすぎが原因のことも多いです。
現代は味付けが濃い食事が多いため、油断すると塩分過多になりやすく、
外食や加工食品を利用する機会が多い場合は、塩分の摂りすぎによるむくみの可能性がありますよ。
もちろん病気が心配な場合や、日常生活に支障をきたす症状がある場合は、医師の診察を受けてくださいね。
それでは、塩分の摂りすぎが原因の場合、むくみをどのように対策すればよいでしょうか。
ダイエット前に試してみよう!むくみ対策
肥満による体重増加とは原因が異なるのがむくみです。
肥満の場合は、脂質を控えて摂取カロリーをコントロールすることで適正体重に戻します。
一方、塩分の摂りすぎで体がむくんでいる場合、脂質やカロリーを控えるダイエットをする前に次のことを試してみるのがおすすめです。
むくみ対策①減塩
むくみ対策として、まずは減塩をおこないましょう。
塩分を摂りすぎると体内の濃度を一定に保とうとする力が働き、水分を体に貯めこみます。塩辛いものを食べると喉が渇くのはこのためです。
その結果、体内の水分が通常より多くなり、むくみが引き起こされます。 むくみ対策のためには、まずは減塩をおこないましょう。
食塩摂取量の目安
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」によると、1日当たりの食塩摂取量の目安は、成人男性7.5g、成人女性6.5gが目標とされています。
一方で、高血圧などを予防するための理想的な食塩摂取量は6 g/日未満とされています。
実際の食塩摂取量は、平成28年国民健康・栄養調査によると、中央値で男性10g、女性8gと、目標値や理想の摂取量よりも多くなっています。
塩分は、通常の食生活では不足することはほとんどないと考えられていますので、過剰摂取を予防する意味での目標値として目安にするとよいですね。
減塩のポイント
以上をふまえた減塩のポイントは、個人差はありますが、1日2~3gを目標に減らすことです。
ですが極端に薄味にすると、かえって濃い味付けが食べたくなるものです。
反動を起こさないためにも、これからお伝えするポイントを押さえて無理なく減塩できると良いですね。
調理後、表面に味付けする
調理中の味付けよりも、調理後、食べる前に表面に味付けをするほうが、少しの塩分でも満足感が得られます。
調味料の量や種類を工夫する
調味料の量を減らすだけでなく種類を工夫しましょう。醤油やソースよりも、ケチャップやマヨネーズのほうが塩分が低めで酸味があるため減塩に役立ちますよ。
酸味・辛味・香りでパンチを効かせる
塩分以外でアクセントやパンチを効かせることができると、減塩につながります。酸味・辛味・香りのある食材を積極的に利用しましょう。
たとえば、
- ねぎやにんにくなどの香味野菜
- お酢やレモンなど酸味を利かせる
- タイムやローズマリーといったハーブ類
- ごまやみょうがなどの薬味を添える
- 唐辛子・胡椒などのスパイスで辛味をきかせる
- 香ばしく焼く
など、料理にひと工夫してみましょう。
だしの味や食材そのものの味を活かす
薄味に慣れてくると、素材そのものの味がおいしく感じられるはずです。
しっかりだしを取る、旬の食材を使うなどして、食材自体の風味やシャキシャキといった食感も楽しめると良いですね。
このように、食事の工夫をすることで効果的に減塩することができますよ。
むくみ対策②カリウムと水溶性食物繊維を取り入れる
むくみ対策2つめは、カリウムと水溶性食物繊維を積極的に取り入れることです。
塩分を取りすぎて体内のナトリウムが過剰になると、余分な水分を溜め込むためにむくみが生じますが、カリウムを摂ることで余分なナトリウムが尿として排泄され、むくみ解消につながります。
また、水溶性食物繊維は食物繊維の中でも水に溶けるもののことをいいます。納豆や山芋などのネバネバした成分です。
水溶性食物繊維は、腸の中で水分を含んで粘りのある状態になり、腸内にある余分な栄養素やコレステロールの他、余分な塩分も吸着して体の外に排出するのに役立つんですよ。
カリウムを多く含む食材
カリウムを多く含む食材は、野菜・果物・海藻・イモ類・豆類です。
ブロッコリーやカボチャなどの野菜、ドライフルーツ、ナッツ類、昆布やわかめなどの海藻類にカリウムは豊富に含まれています。
また、ゆでたり加熱することでカリウムが溶け出してしまうので、生野菜や生のフルーツなど生鮮食品から取り入れるのも効率的ですよ。
毎回の食事に野菜を取り入れたり、朝食には毎回デザートにフルーツを添えるなど、日々の習慣にしておくと無理なく取り入れられますね。
水溶性食物繊維を多く含む食材
水溶性食物繊維を多く含む食材は、納豆・山芋・オクラ・メカブなどのネバネバ食材や、キノコ類です。
水溶性食物繊維は水に溶けてしまうため、生のまま取り入れたり、汁物に入れたりすると良いでしょう。
最後に
今回は、肥満とも勘違いしやすい「むくみ」の対策について詳しくお伝えしました。
体の腫れぼったさが気になったり、ダイエットを頑張ってもなかなかスッキリしない場合は、塩分の摂りすぎを疑ってみても良いかもしれません。
ご紹介した減塩のコツや、カリウム・水溶性食物繊維を多く含む食材を取り入れ、むくみ対策に役立ててみてくださいね。